モダンとトラディショナルとオールドスタイルと未来風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 02:51 UTC 版)
「フォント」の記事における「モダンとトラディショナルとオールドスタイルと未来風」の解説
セリフ体のオールドスタイル(左/Bembo(英語版))とモダン(右/Bodoni) 未来的な印象を持つジオメトリックサンセリフ体(左/Futura)と綜藝体(右) トラディショナルに感じられる日本語書体はふところが狭く、モダンに感じられる日本語書体はふところが広い。 ふところの狭い明朝体には本明朝(Classic Mac OS搭載)とその派生のMS 明朝(Microsoft Windows搭載)/HG 明朝(Microsoft Office搭載)、リュウミン(Classic Mac OS搭載)、筑紫明朝(フォントワークス)などがある。ふところの狭いゴシック体には中ゴシックBBB(Classic Mac OS搭載)、イワタゴシック(イワタ)、筑紫ゴシック(フォントワークス)、ゴシックMB101(モリサワ)などがある。 ふところの広い明朝体には平成明朝(macOS搭載)、小塚明朝(Adobe Acrobatなどに搭載)、黎ミン(モリサワ)などがある。ふところの広いゴシック体には新ゴや小塚ゴシック(Adobe Acrobatなどに搭載)などがある。 ふところの広さのバリエーションが用意されているフォントファミリーも存在する(TP スカイ/TPスカイ クラシック/TPスカイ モダンなど)。 その他オールドスタイルの書体も存在する。オールドスタイルの書体は大きさなどが揃っておらず、癖の強いものとなっている。オールドスタイルの明朝体には筑紫オールド明朝(フォントワークス)、ZENオールド明朝(エイワン)、A1明朝(モリサワ)、秀英明朝(モリサワ)、S明朝(ニィス)、イワタ明朝体オールド(イワタ)、きざはし金陵(モリサワ)、解ミン 宙(モリサワ)、丸明オールド(砧書体制作所〈発表当初はカタオカデザインワークス〉)、筑紫アンティーク明朝(フォントワークス)、貂明朝(Adobe)などがある。オールドスタイルのゴシック体にはイワタゴシック体オールド(イワタ)、ヒラギノ角ゴ オールド(SCREEN)などがある。 大正ロマン・昭和モダン・西洋レトロを意識したレトロモダンな書体も存在する。これにはダイナフォントのロマン風書体シリーズ(ロマン鳳、ロマン輝、ロマン雪)、MPC(解散後六歌仙が引き継ぎ)の昭和モダン体、タイプバンクの赤のアリス、フォントワークスのパルレトロン、視覚デザイン研究所の黒明朝やG明朝、各種シネマ書体などがある。 英語のセリフ体にもオールドスタイル、モダン (ディドーン(英語版))、その中間体であるトランジショナルが存在する。サンセリフ体にもトラディショナルなグロテスク・サンセリフ体とモダンなネオ・グロテスク体が存在する。 未来を思わせるフォントも存在し、未来を印象づけるブランドや未来が舞台のコンテンツなどで使われている。欧文ではEurostile(英語版)やFuturaなどのジオメトリックサンセリフ体が相当する。和文ではDF綜藝体が使われている。また綜藝体に類似するフォントには創挙蘭(2021年現在DTPフォント化されていない)やAR新藝体(かなを変更した花風テクノもある)が存在する。 なお、ここでいう新旧はスタイルのことであり漢字の字体・字形とは関係しない。漢字の字体・字形の新旧についてはOpenTypeフォントがフィーチャータグにより旧字体(tradタグ)、印刷標準字体(nlckタグ)、JIS78字形(jp78タグ)、JIS83字形(jp83タグ)、JIS90字形(jp90タグ)、JIS2004字形(jp04タグ)の切り替えを可能としている。またUnicodeの異体字シーケンス(SVSやIVS)に対応しているフォントとアプリケーションの組み合わせでは対象文字の後ろに異体字セレクタを付けることによっても切り替えが可能となる。ここでの字形には明朝体の単なるデザイン差とされる筆押さえのような装飾の違いも含んでいる。伝統的な明朝体には装飾として筆押さえが付いていたものの、近年の明朝体では筆押さえを付けることが減っているとされているが、一部の文字の筆押さえも異体字セレクタなどを使うことで変更することが可能となっている。 数字字形の新旧についてもOpenTypeフォントがフィーチャータグによりライニング体(lnumタグ)とオールドスタイルのノンライニング体(英語版)(onumタグ)の切り替えを可能としている。OpenTypeフォントではフィーチャータグのsaltタグとss##タグにより任意の代替スタイル字形への切り替えが可能となっており、古い字形と新しい字形を含めたさまざまな字形に切り替えられるフォントが存在する。 トラディショナルな書体とモダンな書体の乖離が大きい文字体系も存在する。例えばタイ文字ではトラディショナルな書体がループ付きの文字な一方、モダンな書体がループ無しの文字となっている。両者の乖離が大きいため、両方の書体のフォントを提供する多言語フォントファミリーがある(MonotypeのNeue Frutiger Thai TraditionalとNeue Frutiger Thai Modern、モリサワのClarimo UD ThaiとClarimo UD ThaiModern、ダイナコムウェアのDF King Gothic TH10とDF King Gothic THM10など)。 オールドスタイルの数字字体(ノンライニング体) さまざまな「Q」の字形スタイル タイ文字のモダン書体(上)とトラディショナル書体(下)
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