メンバーの死去と遺族による訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 22:58 UTC 版)
「愛の葉Girls」の記事における「メンバーの死去と遺族による訴訟」の解説
週刊文春が2018年5月19日、3月に死去した大本萌景につき、大本がアイドル活動と高校生活の両立で悩み、事務所から受けた対応が死去の原因との母親の主張を「母親が告白」と銘打って報じた。報道によると、大本は通信制高校の授業のある日曜日について芸能活動より学校を優先したい意向を事務所に伝えていたが認められず、出席日数不足により1年の6月時点で単位を落とした。大本が事務所に芸能活動を辞める相談をしたところ、全日制の高校への進学を勧められ、通信制を退学して再受験する。彼女自身が事務所から費用を借りて、アイドル活動の報酬で返済する形で進学しようとした。全日制と芸能活動の両立を懸念して進学に反対していた母親は、この条件での進学とアイドル活動継続に同意し、3月中旬に母親は電話で事務所の経理担当者にその内容を伝え、アイドル活動は1年半後の契約満了時点で辞めたいという大本の意向も示した。しかし、2018年3月20日に二人が事務所を訪問して説明すると、件の経理担当者は「なぜこのタイミングで辞めることも考えるのか」と述べ、そのような態度では学費を貸せないと応じた。結局、大本は母親との話し合いで進学を断念する。その晩、経理担当者からの電話に母親が進学断念を伝えたところ、担当者は本人から事務所社長に連絡するよう応答した。その後大本が社長と電話をしたとされる後、友人に「社長に謝らされた」といった話をしたという。翌日のイベントに際して「社長に会うのが怖いんよ。怖いけん、行きたくないよ」と母親に話した。その日の昼自宅にて首吊り自殺で発見される。遺書などは残っておらず、警察も事件性なしと発表。 5月23日、事務所サイドは公式ホームページを通じて「進学費用の一部を既に貸し出しているが返済されていない」「事実ではないことがまるで事実であるかのように書かれている」と反論。報道が原因で起きた業務妨害や脅迫に対して法的手続をとる準備を進めていること、愛の葉Girlsを他社に移籍させ6月1日より活動を再開することを表明した。 大本の遺族は10月11日に記者会見を開き、自殺は所属会社「hプロジェクト」によるパワハラや苛酷な労働環境で精神的に追い詰められたためとして、代表取締役らに計約9,200万円の損害賠償を求める訴訟を松山地方裁判所に起こすことを表明、翌12日に提訴した。2022年6月9日、東京地方裁判所はこの訴えを棄却した。なお遺族が提訴した際に行った記者会見で虚偽の内容を公表され名誉を傷つけられたとして、所属会社は遺族らに計約3600万円の損害賠償を求める訴訟を同地裁に起こしている。 このほか遺族側は所属会社が不当な賃金未払いを行ったとして約8万8000円を支払うよう求めた訴訟も起こしたが、2021年9月7日、東京地裁は遺族側の請求を棄却。判決後に原告側代理人は「アイドルの労働力搾取を容認する不当判決だ」と述べ、控訴する姿勢を示した。佐藤卓裁判官は「地産地消フェア」について「元気に声を出して特産物をPRするなど売り場を盛り上げる応援で、販売活動ではない」と労働性を否定、参加も強制ではなく「労働基準法上の労働者には当たらない」として最低賃金は適用されないと判断した。
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