マルクスの基本定理
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「数理マルクス経済学」の記事における「マルクスの基本定理」の解説
利潤率が正である為の必要十分条件は搾取率が正である事である。
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マルクスの基本定理
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置塩は前述の価値方程式を用いて、のちに森嶋通夫によって「マルクスの基本定理 Fundamental Marxian Theorem」と名付けられた定理を、1955年世界ではじめて導いた。この定理は、剰余労働の搾取が、プラスの利潤が存在する必要十分条件であることを示すものである。
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マルクスの基本定理
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マルクス以前にも、リカードは、価格が投下労働価値に比例する前提のもとでは、正の利潤の源泉が労働の搾取にあることを示していた。 マルクスはリカードの付与した条件を広げ、価格が投下労働価値ではなく、均等利潤率が成り立つ「生産価格」になったとしても、利潤の源泉が搾取された労働だと言えることを証明できたとした。これがいわゆる「転化問題」における「総計一致二命題の両立」である。 非マルクス派の経済学者は、ベームバベルク以来、この「転化問題」についてのマルクスの解決には欠陥があり、マルクスの主張は成り立たないことを再三にわたって主張、論証してきた。 マルクス経済学側の反論は、マルクスが『資本論』で行っているのは、転化問題の最初のステップであり、これだけは総計一致二命題が成り立つには確かに不十分であるが、マルクスがやろうとした計算を繰り返していけば、総生産価格と総価値は一致するはずだと反論した。しかし後年、転化問題を実際に最後まで解いてみると、「総計一致二命題」は両立しないことが明らかになった。現実の価格が投下労働価値に比例するのはごく限られた場合であるから、これによって、以降、利潤の源泉が労働の搾取だと言うマルクスの主張は理論的に正当化できず、客観的に立証不可能な信念の表明にすぎないことになってしまった。 ところが、1954年、置塩信雄が証明した「マルクスの基本定理」(この呼び名は英語で『マルクスの経済学』を著した森嶋通夫が命名したもの。証明者にちなんで、「置塩-シートン-森嶋の定理」と呼ばれることもある)は、ともかく正の利潤を発生させるような価格ならどんな価格であったとしても(つまり投下労働価値に比例した価格であろうとなかろうとも、また均等利潤率をもたらす生産価格であろうとなかろうとも)、そのもとで労働が搾取されていることを数学的定理として示した。このことは、マルクス主義の立場に立つ立たないを問わず、厳密な客観命題として、この定理の示す結論を(非マルクス派の経済学者にも)承認することを迫るものである。 また、この定理は、森嶋の著作等を通じて広まり、マルクス・ルネサンスと呼ばれる新しいマルクス経済学研究のマイル・ストーンともなった。 1980年代に入ると、一般的商品搾取定理が証明されるようになった。これは「マルクスの基本定理」を拡張し、労働搾取の存在と任意の商品の搾取の存在の同値性を示したものである。この定理により、「マルクスの基本定理」が示したとされる、労働の搾取が正の利潤の唯一の源泉である主張は根拠を失う(労働搾取は、労働商品でない任意の商品の「搾取」と取り替え可能となるから)、とされる。しかし,これについては,労働以外の財の投下価値規定は、労働価値説の立場からは意味がない旨の批判や、置塩と森嶋とは別の定式化をすることで総計一致2命題とマルクスの基本定理が成立し、一般的商品搾取定理が成立しないNew Interpretation学派の定理が最も妥当だとする意見もあり、やはり決着はついていない。
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