同値性
同値
(同値性 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/22 05:29 UTC 版)
同値(どうち)または等価(とうか)とは、2つの命題が共に真または共に偽のときに真となる論理演算である。 英語ではequivalence (EQ)。「if and only if(~のとき、かつそのときに限る)」を略して、iff ともいう。否定排他的論理和 (XNOR) に等しい。 演算子記号は ⇔、↔、≡、=、EQ などが使われる。
真理値表
命題 P | 命題 Q | P ⇔ Q |
---|---|---|
真 | 真 | 真 |
真 | 偽 | 偽 |
偽 | 真 | 偽 |
偽 | 偽 | 真 |
性質
基本的な性質
同値の基本的な性質は以下の通り。
( 「必要」はこの項目へ転送されています。「必要」の語義については、ウィクショナリーの「必要」の項目をご覧ください。
二つの条件 p 、q に対して、「 p を満たすものは全て q も満たす 」 というとき、「 p は q である為の十分条件である 」 あるいは 「 q は p である為の必要条件である 」 という。
また、「 p は q である為の十分条件であり、q は p である為の十分条件である 」 というとき、「 p は q である為の必要十分条件である 」 あるいは 「 p と q とは同値である 」 という。
例 1
ある数が4の倍数である為には、その数は少なくとも偶数である必要がある。つまり、偶数であることは、4の倍数である為の必要条件である。ただし、偶数であっても、必ずしも4の倍数であるとは限らない。
また、ある数が4の倍数である為には、その数が8の倍数であれば十分である。つまり、8の倍数であることは、4の倍数である為の十分条件である。ただし、その数が8の倍数でなくとも、必ずしも4の倍数でないとは限らない。
他方、ある数が2の倍数である為には、その数は少なくとも偶数でなければならない。つまり、偶数であることは、2の倍数である為の必要条件である。また、その数が偶数であれば、その数は必ず2の倍数である。つまり、偶数であることは、2の倍数である為の十分条件である。すなわち、偶数であることは、2の倍数である為の必要十分条件であり、両者は同値である。
例 2
自然数変数 n についての条件 p(n), q(n) を次のように定める。
- p(n): n > 10
- q(n): 2n > 20
そのとき、p(n) は q(n) である為の必要十分条件である。すなわち、n > 10 は 2n > 20 である為の必要十分条件である。
例 3
実数変数 x についての条件 p(x), q(x) を次のように定める。
- p(x): x > 0
- q(x): x2 > 0
そのとき、p(x) は q(x) である為の十分条件である。しかし、−1 は q(x) を満たすが p(x) を満たさないので、 「q(x) を満たす実数は全て p(x) を満たす」 とはいえない。よって、q(x) は p(x) である為の十分条件ではない。従って、p(x) は q(x) である為の必要十分条件ではない。
例 4
¬、⇔ を論理演算とし、命題変数 A 、B についての条件 p(A, B), q(A, B) を次のように定める。 ( ¬ は集合 { 真、偽 } から集合 { 真、偽 } への 1 つの写像である。⇔ は { 真、偽 }×{ 真、偽 } から { 真、偽 } への 1 つの写像である。A 、B は { 真、偽 } の元の変数である。)
- p(A, B): ¬( A ⇔B ) = 真
- q(A, B): ( ¬A )⇔B = 真
そのとき、p(A, B) は q(A, B) である為の必要十分条件である。すなわち、「¬( A ⇔B ) = 真」 は 「( ¬A )⇔B = 真」 である為の必要十分条件である。
関連項目
脚注
外部リンク
- Necessary and Sufficient Conditions - スタンフォード哲学百科事典「必要条件と十分条件」の項目。
- Weisstein, Eric W. "Equivalent". mathworld.wolfram.com (英語).
- Weisstein, Eric W. "Iff". mathworld.wolfram.com (英語).
同値性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 08:01 UTC 版)
p1 : C1 → X と p2 : C2 → X が 2 つの被覆だとする。(p1, C1) と (p2, C2) は、ある同相写像 p21 : C2 → C1 が存在し、p2 = p1op21 のとき、同値であると言う。これは同値関係である。被覆の同値類は、共役類に対応する。p21 が同相写像でなく被覆の場合には、(p2, C2) は (p1, C1) を支配する(dominate)と言う。ここに、p2 = p1op21 である。
※この「同値性」の解説は、「被覆空間」の解説の一部です。
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