位相同値性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/08 14:03 UTC 版)
二つのフロー ψ {\displaystyle \psi } と φ {\displaystyle \varphi } が位相同値(topologically equivalent)であるとは、 ψ {\displaystyle \psi } の軌道を φ {\displaystyle \varphi } の軌道に位相同型的に写し、またその軌道の向きを保存するような同相写像 h : Y → X {\displaystyle h\colon Y\to X} が存在することを言う。言い換えると、 O {\displaystyle {\mathcal {O}}} をある軌道としたとき、各 y ∈ Y {\displaystyle y\in Y} に対し、 h ( O ( y , ψ ) ) = { h ( ψ ( y , t ) ) : t ∈ R } = { φ ( h ( y ) , t ) : t ∈ R } = O ( h ( y ) , φ ) {\displaystyle h({\mathcal {O}}(y,\psi ))=\{h(\psi (y,t)):t\in \mathbb {R} \}=\{\varphi (h(y),t):t\in \mathbb {R} \}={\mathcal {O}}(h(y),\varphi )} が成り立つことを言う。さらに、時間のフローを確保する必要がある:すなわち、各 y ∈ Y {\displaystyle y\in Y} に対し、ある δ > 0 {\displaystyle \delta >0} が存在して、 0 < | s | < t < δ {\displaystyle 0<\vert s\vert <t<\delta } かつ s が φ ( h ( y ) , s ) = h ( ψ ( y , t ) ) {\displaystyle \varphi (h(y),s)=h(\psi (y,t))} を満たすものであるなら、 s > 0 {\displaystyle s>0} となる。 総体的に、位相同値性は位相共役性よりも弱い同値条件である。なぜならば、位相同値性では時間期間が軌道とその向きに沿って写されることが要求されないからである。位相同値であるが位相共役でないシステムの例として、閉軌道を持つ微分方程式の二次元系の非双曲的なクラスが挙げられることがある。その軌道は空間的な意味でお互い重なるように変換されることもあるが、そのようなシステムの周期は相似的に一致することはなく、したがって位相共役性の条件は満たされないが、位相同値性の条件は満たされる。
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