マルクスの個人史からみた本作の限界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 09:49 UTC 版)
「ドイツ・イデオロギー」の記事における「マルクスの個人史からみた本作の限界」の解説
その後、マルクスは、自分の共産主義的見解を次々に発展させていっており、『ドイツ・イデオロギー』で書かれた命題でも、かなりの部分はその概念を更新させたり、廃棄したりしている。たとえば、生産のなかで人間が結ぶ社会関係を、マルクスとエンゲルスは、この著作では「交通形態」と呼んでいるが、以後の著作ではほとんど登場しなくなる。 あるいは、社会発展の基礎を「分業」にみており、共産主義はこの分業の克服と全体的人間の回復だと考えているが、こうした共産主義革命論は、『資本論』では採用されていない。また、社会発展史についても「部族所有」「古代的な共同体・国家所有」「封建的所有」などという区分にとどまっており、生産関係ではなくその法的な表現である「所有」にのみ注目するものとなっており、その内容も、後の解明と比べて貧弱である。 なお、マルクスは、『ドイツ・イデオロギー』執筆から13年経ったときに出版した『経済学批判』の「序言」のなかで、自分のブリュッセル時代の研究に結論を得たと書いている。
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