マカロネシアとは? わかりやすく解説

マカロネシア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/23 17:28 UTC 版)

マカロネシアの島々。左上にアゾレス諸島(ポルトガル)、中央付近にマデイラ諸島(ポルトガル)とカナリア諸島(スペイン)、下のほうにカーボベルデの島々が見える。

マカロネシアMacaronesia)は、ヨーロッパ北アフリカに近接する大西洋の複数の島々をまとめて表す用語である。

これらの島々はスペインポルトガル、あるいはカーボベルデに属している。

マカロネシアという呼称は、ギリシア神話における死後の楽園である「エーリュシオン」の異称である「至福者の島」(古希: μακάρων νῆσοι、マカローン・ネーソイ)に因む。古代ギリシア地理学者によってジブラルタル海峡の西にあるとされる島々を指して用いられていた。

列島

マカロネシアには大きく4つの列島がある。

北から順に、

ヨーロッパ

アフリカ

マカロネシアの島々は元々は火山であり、地学ホットスポットによって生み出されたものと考えられている。

気候・自然

マカロネシアの島々の気候は亜熱帯から熱帯である。ポルトガル領のアゾレス諸島およびマデイラ諸島はより冷涼な気候であり、カナリア諸島カーボベルデよりも降雨量が多い。

これらの島々は独特の生物地理学的特徴を有しており、固有の植物や動物の生息域となっている。マカロネシアの島々はいずれも大陸の一部となったことはなく、そこにある動植物はいずれも海によって隔てられた長距離を渡ってきた。ラウリシルバlaurisilva)と呼ばれる照葉樹林は、アゾレス諸島、マデイラ諸島の全域と、カナリア諸島の一部・標高400メートルから1,200メートルの範囲を覆っていた(カナリア諸島東部とカーボベルデはより乾燥している)。これらの森林は氷河期による冷涼乾燥が訪れる前の、古代の地中海の海底や北西アフリカを覆っていた森林と類似している。ラウリシルバにはクスノキ科ApolloniasOcoteaタブノキなど、リョウブ科リョウブリュウゼツラン科竜血樹モクセイ科Picconiaなどが見られ、これらは氷期以前から生息していたことが化石より明らかになっている。

森を材木や薪のために切り出し、牧草と農業用に植物を取り払い、人類によって島の外からの動植物が持ち込まれたことによって、島々の以前からの植物を大きく置き換えてしまった。ラウリシルバは縮小し袋地となった。それによって、多くの島々の固有の生態系が深刻な被害を受けたり、絶滅したりした。

ハエトリグモであるMacaroerisはマカロネシアにちなんで名づけられている。

座標: 北緯24度15分24秒 西経22度28分16秒 / 北緯24.25667度 西経22.47111度 / 24.25667; -22.47111


マカロネシア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 02:38 UTC 版)

火山の一覧」の記事における「マカロネシア」の解説

アゾレス諸島ポルトガル領) 「en:List of volcanoes in Portugal」も参照 セテ・シタデス山(英語版)(サンミゲル島ピコ山(2351m、ピコ島) - ポルトガル最高峰。 セッラ・デ・サンタバルバラ山(英語版)(1023m、テルセイラ島エスペランサ山(英語版)(1066m、サン・ジョルジェ島) カペリニョス山(英語版)(1043m、ファイアル島) セーテ・ペス山(ポルトガル語版)(フローレス島アルト山(ポルトガル語版)(サンタマリア島) テルサス山(グラシオーザ島グロッソ山(ポルトガル語版)(718m、コルボ島カナリア諸島スペイン領) 「en:List of volcanoes in Spain」も参照 グラン・カナリア島Pico de Las Nieves(1949m) テネリフェ島テイデ山(3718m)- スペイン最高峰。 ピコ・ビエホ(3134m)- テイデ山兄弟ランサローテ島ブランカカルデラ ラ・パルマ島 - 最高峰Roque de los Muchachos (2426m)ケンブレビエハ(英語版)(1949m)- 最悪場合山体崩壊で900mの津波発生し時速700kmで大西洋渡りフロリダで30m、ニューヨークで10mなどの高さの津波起こすという研究がある。 テネグイア山(英語版)(439m) - 最後噴火1971年サン アントニオ火山Vulcan of San Antonioガラホナイ国立公園(1487m、ラ・ゴメラ島) - 世界遺産エル・イエロ島(1501m)2011年11月13日海底火山爆発有毒ガス噴出フエルテベントゥラ島 カーボベルデ共和国 フォゴ山フォゴ島、2829m)73千年前に東側斜面山体崩壊し、高さ240mの津波生じたという。30km東側サンチアゴ島で180m以上の高さの津波襲った跡が見つかったフォンタインアス山 (976m) ベルデ山 (750m)

※この「マカロネシア」の解説は、「火山の一覧」の解説の一部です。
「マカロネシア」を含む「火山の一覧」の記事については、「火山の一覧」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「マカロネシア」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マカロネシア」の関連用語

マカロネシアのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マカロネシアのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマカロネシア (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの火山の一覧 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS