ブランド再構築
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 14:43 UTC 版)
そうした中で消費者のカキ離れ(主に生鮮もの)が進んでいる。そこへ2000年からのオイスターバーブームによって国内で生食用殻付きカキの需要が高まっていた。また広島県が積極的に行ってきた外国人観光客誘致の中で生鮮もののニーズが高まっていた。 ただ広島カキはその生産量から生鮮から加工品まで幅広く対応してきたものの、特徴づけるブランドイメージがなかったことから市場ではいつしか質より量というイメージがついてしまった。むき身や冷凍加工用のシェアが大きいため、市場では加熱用・加工用のカキというイメージもついていた。また古くから盛んであったことから生産業者においては古い機械・加工施設が多いため、HACCPなどの現代的な衛生品質管理を満足することができないため、生鮮ものは他産地に遅れを取り海外への輸出戦略構築もままならなかった。こうしたことからオイスターバーでは国内他産地や海外ものが好まれ広島産の需要は低くかった。 そこで、市場へより安全で高品質なものを供給するため、カキ消費拡大のため、さらにブランドイメージ再構築のため、様々な取り組みが始まった。その代表例が生食用殻付きカキの増産であった。 三倍体カキ「かき小町」は、県水産海洋技術センターが1985年から研究を始め国内で初めて三倍体幼生の大量生産化に成功、生産体制を確立したことを機に県漁業協同組合連合会が公募で名前を決定し1998年商標登録した。広島県のみでしか生産できないオリジナルブランドである。それに加えて、それぞれの生産業者によって個性的な新しいブランドカキが生まれていった。 高付加価値化を狙い形のよい殻が作れるシングルシード方式での養殖技術開発も進んだ。広島ではもともと筏式が主力であるがきれいな形・大きさのカキを揃えて育てるのには不向きであり、市場にはむき身として多く流通していることからむき身を育てることに長けた生産業者は多くいたが殻付きカキを育てる生産業者は少なかった。2001年廿日市市大野漁協は研究を始め、5年かけて生産業者としては国内初となるシングルシード方式での養殖に成功した。県水産海洋技術センターは2005年から本格的に一粒カキ養殖技術の開発を進めた。そして三倍体カキをシングルシード方式で育てる方法も確立した。 2013年、生産・流通・加工の各業者で「広島かき協議会」を発足、一貫した品質管理強化に取り組みブランド力強化のために具体的な施策がとられていった。また県の定める品質管理基準をクリアしたブランドを「広島トップカキ」、更に上の基準をクリアしたものを「広島プレミアムトップカキ」と名付け、市場での販売促進活動を展開した。 2017年、県によるひろしま観光立県推進基本計画に基づき「カンパイ!広島県 牡蠣ングダム」プロモーションを開始している。
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