パワーユニットの供給開始とメルセデス1強時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 02:10 UTC 版)
「F1世界選手権の歴史」の記事における「パワーユニットの供給開始とメルセデス1強時代」の解説
近年の産業界の傾向に沿い、F1にも環境問題への配慮が求められた。2009年のKERS導入に続き、排気エネルギーの再利用(ターボエンジンの復活)やバイオ燃料の使用も検討され、2014年からターボエンジン(シングルターボ、排気量1.6リットル、V6)と2つのERS(MGU-KとMGU-H)などから構成される「パワーユニット」が供給されることになった。 この規定変更で勢力図が一変し、ルノー製PUの不振に大きく足を引っ張られたレッドブルが急失速したのとは対照的に、最も上手く対応に成功したメルセデス1強時代を迎えることになった。2014年は19戦16勝、18ポールポジション、ワン・ツー・フィニッシュ11回と他を圧倒し、メルセデスは初めてのコンストラクターズチャンピオン(1954-55年はタイトルが制定されていなかった)、ルイス・ハミルトンはマクラーレン時代の2008年以来のドライバーズチャンピオンとなった。翌2015年も19戦16勝、18ポールポジション、ワン・ツー・フィニッシュ12回と上位を独占し連覇を果たしている。この勢いは2016年も変わらず、21戦19勝、20ポールポジション、ワン・ツー・フィニッシュ8回と圧倒し3年連続コンストラクターズチャンピオンとなった。ドライバーズチャンピオンはハミルトンとニコ・ロズベルグのチームメイトで争われ、最終戦でロズベルグが初のドライバーズチャンピオンを獲得したが、ロズベルグは引退を決断した。2017年はシャシー規定の変更もあり序盤は苦戦したものの、中盤戦以降は速さと信頼性の高さで他を圧倒してコンストラクターズ4連覇、ハミルトンがドライバーズチャンピオンを奪回。2018年はフェラーリ勢などに戦力差を詰められ、中盤までは一進一退の戦いになったものの、終盤戦で一気に差を広げてコンストラクターズ5連覇、ハミルトンもファンジオに並ぶ5冠目を達成した。 2015年、マックス・フェルスタッペンが最年少出走(17歳165日)、最年少入賞(17歳180日)を更新し、翌2016年には最年少優勝記録(18歳227日)も塗り替えた。デビュー当初は若さや経験不足を懸念する意見もあり、スーパーライセンスの発給条件が厳しくされるほどであった。 リーマン・ショック以降続く経済難はF1でも例外ではなく、資金難から撤退に追い込まれる弱小チームが続出した。 一方、2015年にホンダがマクラーレンにパワーユニットを供給する形でF1復帰を果たしている。2016年にはハースが新規参戦した。 リバティメディアによるフォーミュラワン・グループ買収が2017年1月に完了し、40年もの間F1の商業権を取り仕切ってきたバーニー・エクレストンがCEOから名誉会長に退いた。 表 話 編 歴 « 前 ― F1世界選手権レース (2010-2019) ― 後 » 2010 BHR AUS MAL CHN ESP MON TUR CAN EUR GBR GER HUN BEL ITA SIN JPN KOR BRA ABU 2011 BHR AUS MAL CHN TUR ESP MON CAN EUR GBR GER HUN BEL ITA SIN JPN KOR IND ABU BRA 2012 AUS MAL CHN BHR ESP MON CAN EUR GBR GER HUN BEL ITA SIN JPN KOR IND ABU USA BRA 2013 AUS MAL CHN BHR ESP MON CAN GBR GER HUN BEL ITA SIN KOR JPN IND ABU USA BRA 2014 AUS MAL BHR CHN ESP MON CAN AUT GBR GER HUN BEL ITA SIN JPN RUS USA BRA ABU 2015 AUS MAL CHN BHR ESP MON CAN AUT GBR HUN BEL ITA SIN JPN RUS USA MEX BRA ABU 2016 AUS BHR CHN RUS ESP MON CAN EUR AUT GBR HUN GER BEL ITA SIN MAL JPN USA MEX BRA ABU 2017 AUS CHN BHR RUS ESP MON CAN AZE AUT GBR HUN BEL ITA SIN MAL JPN USA MEX BRA ABU 2018 AUS BHR CHN AZE ESP MON CAN FRA AUT GBR GER HUN BEL ITA SIN RUS JPN USA MEX BRA ABU 2019 AUS BHR CHN AZE ESP MON CAN FRA AUT GBR GER HUN BEL ITA SIN RUS JPN MEX USA BRA ABU
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