ハリケーン・サンディ
英語:Hurricane Sandy、Superstorm Sandy
2012年10月に発生しアメリカ東海岸を襲った大嵐。ハリケーン、または巨大な温帯低気圧(extra-tropical cyclone)。その勢力は100年に一度の規模とも言われ、「スーパーストーム」とも呼ばれている。
ハリケーン・サンディは10月19日にメキシコ湾で発生した。大西洋を北上し、温帯低気圧に変わった後、10月29日に米国北東部・ニュージャージー州から北米大陸に上陸した。ニュージャージー州ではハドソン川が氾濫して都市が冠水した。米国北部では広範囲に停電や交通機関の麻痺が生じている。
サンディの影響を受け、米国東海岸側の港湾の半数以上が閉鎖され、空港や主要都市の地下鉄も閉鎖された。ニューヨークやワシントンでは証券取引所、政府機関などが閉鎖された。セーラム原発、ナインマイルポイント原発、インディアンポイント原発では、それぞれ原子炉の運転を一時停止した。イギリスの帆船・バウンティは、ノースカロライナ州沖で沈没した。
2012年10月31日現在の時点で、サンディの影響による死者は39名、停電している世帯は800万世帯以上に上ると報道されている。サンディによる被害の総額は200億ドル(約1兆6000万円)とも500億ドル(約4兆円)とも言われている。
ハリケーン・サンディ
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カテゴリ3メジャー・ハリケーン (SSHWS/NWS) | |
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最盛期に達したサンディ(2012年10月25日)
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発生 | 2012年10月22日[2] |
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消滅 | 2012年10月31日[1] |
(10月29日に温帯低気圧化) | |
最大風速 | 1分平均: 115 mph (185 km/h) |
最低気圧 | 940 mbar (hPa); 27.76 inHg |
死者 | 死者233人 |
被害 | $750億(2012の米ドル) |
被害地域 | 大アンティル諸島、バハマ、アメリカ合衆国東部の大部分(特に中部大西洋諸州の沿岸部とニューイングランド)、バミューダ諸島、カナダ東部 |
2012年の大西洋ハリケーン |
ハリケーン・サンディ(Hurricane Sandy)は、2012年に発生した大型ハリケーンのうちの一つ。2013年、アメリカ合衆国の国立ハリケーンセンターはハリケーン名のリストから「引退」した事を発表した[3]。
概要

2012年10月にハリケーンから温帯低気圧に変わり米東部に上陸。ニューヨークでは広範囲で浸水に見舞われ、それに伴い停電も多発し[3]、ニューヨーク証券取引所は10月29日と30日の2日間休場に追い込まれた。また、ニューヨーク州のほかにもニュージャージー州でも安全のため原子力発電所が稼働停止した。
2013年11月に発表された非営利団体「飢えと闘うニューヨーク市連合」の報告書では、ニューヨークにおいて20%を超える子どもたちが十分に食べるものもなく暮らしているとされ、その原因として、サンディによって多くの人びとがホームレス生活を強いられているためとしている[4]。
この災害に乗じて、ハリケーン・サンディのものとする写真がFacebookを通じて広まったが、この写真は2004年に撮影されたものを加工したものであることが判明した[5]。
11月4日に開催予定だったニューヨーク・シティ・マラソンは災害からの復旧を最優先としたことから、中止が決定されている。
このハリケーンの影響で、ハイチに派遣されていた自衛隊の撤収作業に影響が出たため、日本政府はハイチへの自衛隊の滞在期限を、当初の2013年1月末から2013年3月まで延長した[6]。
順位 | ハリケーン | 年 | 疾強風の直径 (km) |
---|---|---|---|
1 | オルガ(Olga) | 2001年 | 1,595 |
2 | サンディ(Sandy) | 2012年 | 1,380 |
3 | リリ(Lili) | 1996年 | 1,335 |
イゴール(Igor) | 2010年 | ||
5 | ニコール(Nicole) | 2016年 | 1,285 |
6 | カール(Karl) | 2004年 | 1,185 |
脚注
- ^ “Remnants of Sandy Advisory Number 36” Hydrometeorological Prediction Center 2012年10月31日発表, 英語, 2012年11月1日閲覧.
- ^ “Tropical Depression Eighteen Discussion Number 1” National Hurricane Center 2012年10月22日発表, 英語, 2012年11月1日閲覧.
- ^ a b “サンディ・ハリケーン名リストから引退-NOAA”. レスキューナウ (2013年4月23日). 2013年9月23日閲覧。
- ^ “NYの子ども、5人に1人は十分な食事とれず NPO報告”. AFPBB News. (2013年11月27日) 2013年11月28日閲覧。
- ^ Electron Libre (2012年10月31日). “USA: Hurricane Sandy spawns fake photos”. France24. 2012年10月31日閲覧。
- ^ “「武器」扱いの重機、譲渡へ=ハイチに、三原則緩和後初-政府”. 時事通信. (2012年12月19日). オリジナルの2013年4月26日時点におけるアーカイブ。
外部リンク
ハリケーン・サンディ
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「サウス・フェリー/ホワイトホール・ストリート駅」の記事における「ハリケーン・サンディ」の解説
2012年10月29日に新サウス・フェリー駅はハリケーン・サンディによる高波で水没し、大きな被害を受けた。駅は線路はおろかメザニンまで海水に浸かり、MTA元会長のジョセフ・ロータの言葉を借りれば「巨大な海水魚水槽」になってしまった。浸入した海水の水位は24メートル (80 ft)にもなった。このため、複合駅の新サウス・フェリー駅部分は再開時期未定で閉鎖されてしまった。MTAは復旧には6億ドルを要し、2016年までかかると見積もった。これを受けて、新駅の復旧・営業再開までの繋ぎとしてサウス・フェリー・ループス駅を営業に復帰させることになり、その準備ができるまでの間はレクター・ストリート駅が終点とされた。サウス・フェリー・ループス駅は2013年4月4日に営業を再開した。 この工事で、改修や信号機室の移設、水密化が図られることになっている。2014年12月8日に1億9400万ドルの契約が結ばれ、駅の再建が進められた。再建に合わせてすべての出入口に引き込み式止水板が導入され、通気口、マンホール、ハッチ、コンジットおよび関連するダクトの水密化や駅の清掃が行われた。 最終的な改装費用は3億4,500万ドルであった。ハリケーン・サンディの襲来から4年8ヶ月後、2017年6月27日に新駅の営業が再開された。また、クラーク・ストリート・トンネルの週末の長期的な閉鎖のために週末の2系統が2017年6月から2018年6月までの約1年間サウス・ウェリー新駅に乗り入れていた。
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