ネズ・パース族とは? わかりやすく解説

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ネズ・パース

(ネズ・パース族 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/28 06:37 UTC 版)

ネズ・パース族の戦士 (1907年)

ネズ・パース族、またはネ・ペルセ族は、アメリカインディアンの一部族である。 彼ら自身はニミプー(nimi'ipuu、nimipu)、またはカムイヌ(Kamu'inu)、チュトペリ(Tsútpeli)とも自称する。

アメリカアイダホ州を中心に、ワシントン州オレゴン州北東部、モンタナ州などのロッキー山脈付近のコロンビア高原の高原地帯に定住し、ネ・ペルセ国立歴史公園(Nez Perce National Historical Park) 内に住み、幾つか保留地(Reservation)がある。アイダホ州には北部ネ・ペルセ族と南部ネ・ペルセ族の部族に分かれて約600人が現在でも暮らしている。 ペヌティ大語族サハプティン語族英語版の言語ネズパース語を話す。

文化

  • ネズ・パース族は主に狩猟民族で、バッファローシカなどを狩ったり、を捕獲し、ベリー類などの野生の果物、農業ではトウモロコシなどの野菜を栽培しながら暮らしていた。
  • 非常に白人とは友好的な部族で、かつては白人達を他部族から護衛したり、庇護を求めて逃げ込んだ白人を保護した。ネ・ペルセ族は白人と戦争したことは一度も無い。
  • 彼らが初めて白人と接触したのは、1805年、ルイスとクラークの探検隊が立ち寄った際である。ルイスは、「今まであったことがないほど気立てが優しく、穏やかで落ち着いた部族である。激情に流されるようなことはめったにない」と書き残している。
  • 「ネ・ペルセ」は、フランス人猟師が命名した名前で、フランス語で「穴をあけた鼻」(nez percé )を意味する。当時、彼らが鼻に貝のピアスをしていたためそう呼ばれた。
  • 大きく高地ネ・ペルセと低地ネ・ペルセの二支族に分けられる。
  • の飼育に長けた部族として知られており、アパルーサという品種を生み出している。
  • ブラックフット族(シクシカ族)とは犬猿の仲だった。
  • を崇めたネ・ペルセ族は現在、アイダホ州北部及びモンタナ州の依頼で、すでに野生界では絶滅した狼の自然界復帰計画を進めており、狼を放った森林地帯で、監視などの管理を行っている。(「狼の教育と調査センター=WERC)
  • しかし、牧場主やハンターは狼の駆除の圧力を州と連邦政府に対して強めており、計画の先行きは不透明である。

白人との歴史

元々のネズ・パース族の領域(緑)と1863年の保留地(茶)
  • 1855年、白人はネ・ペルセに保留地に入るよう要求。不公平な条約を結ばされ、保留地に入る。
  • 1860年、保留地内で金が見つかり、ゴールドラッシュが起こる。条約を破って白人が侵入。ネ・ペルセは友好的に接し、金が掘りつくされるのを待ったが、金が尽きても白人は居座り、軋轢を生み始める。
  • 1863年、白人は2万6千平方キロメートルのネ・ペルセの保留地を没収し、ほぼ1/10の面積の2千6百平方キロメートルに縮小する条約を提示。高地ネ・ペルセはこれを受け入れるが、ジョゼフ酋長(息子)の低地ネ・ペルセ(チュトペリ)は断固これを拒否。やがて呪い師スモーハラの興したドリーマー教に傾斜していった。

赤いナポレオン・ジョゼフ酋長とネ・ペルセ族の逃避行

  • 1877年、白人から「ジョゼフ」と呼ばれたヒンマラー・トーヤラケット(「山上を鳴り渡る雷」という意味)酋長は、ラプワイのキャンプで部族民の一派が白人を襲撃したのを知り、その報復を恐れて弟オリクートとともに一族を率い、カナダへの108日間、2700キロに及ぶ絶望的な逃避行を企てた。この逃避行における、彼の勇気と知略に富んだ指導力から、白人達は彼を「赤いナポレオン」と呼ぶようになった。
  • 結果的にジョゼフたち149人は捕らえられ、ワシントン州コルビルの保留地に幽閉された。彼は死ぬまでアイダホへの帰郷を懇願したが、白人はこれを許さなかった。
  • 「私は、インディアンに一ヶ所に留まれと命令する権利を、一体誰が持っているのかと白人の酋長達に聞いた。だが、誰もそれに答えられなかった」とジョゼフ酋長は言葉を残している。
  • 彼は故郷に戻ることなく死去し、白人の医師はカルテに、彼の死因を「傷心による死」と書いた。

外部リンク


ネズ・パース族

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/17 01:18 UTC 版)

アパルーサ (馬)」の記事における「ネズ・パース族」の解説

ネズ・パース族の人々現在のワシントン州東部からアイダホ州西部にわたる地域暮らし農業かたわら馬の繁殖をしていた。最初に馬を手に入れたのは1730年前後ショショーニ族介した考えられる土地柄、馬を飼育するにはぴったりの環境であり他の部族との争い巻き込まれる心配も少なかったことから、厳し標準決めて馬の選択改良取り組んでいく。1750年までに繁殖馬の系統確立した形質の劣る牡馬去勢と、品の落ち血統手放すことで遺伝子プールか不適格なものを取り除いたのは、ネズ・パース族など一握り部族だけである。その結果19世紀はじめに馬の繁殖家としてネズ・パース人々すぐれた繁殖担い手認められるようになったネズ・パースの馬は初めのころ質の高さが評判だった。メリウェザー・ルイスルイス・クラーク探検隊一員で、1806年2月15日日記に「彼らの馬は実に質が高いとみた。気高く優美な姿で活動的耐久力も相当なものだ。つまりEnglish coarsers [誤字ママ] に匹敵するうえどの国に持ち込んでひときわ目立ち才能発揮する違いない」と記した。また斑文注目しており、「 (略) ここには〈雑色〉がいて、黒鹿毛ほか濃い色の地毛白く形のいびつな大きなまだらのある馬をちらほら見かける」としている。ルイスの〈雑色〉とは、一方で近世アパルーサ見え豹文意味する可能性があるが、他方では「大部分単色と書き残している。アパルーサ・ホース・クラブの試算ではその当時、ネズ・パース族が所有した馬で斑文があったのは全体のおよそ10パーセントかいないという。 もともとネズ・パースの馬の大部分単色であり、ルイス・クラーク探検隊訪問後、おそらく19世紀入ってから斑文アピールするようになった白人の入植者がネズ・パース土地入り込む時代が来ると、馬の取引盛んになってネズ・パース族は豊かになる1861年の馬の宣伝文句は「優美な軍馬であり、王族乗馬にふさわしい」と宣伝している。標準的な馬が15ドル売買されたところ、先住民ではない人々アパルーサほしがって600ドル積んでも、取引を断ることもあった。

※この「ネズ・パース族」の解説は、「アパルーサ (馬)」の解説の一部です。
「ネズ・パース族」を含む「アパルーサ (馬)」の記事については、「アパルーサ (馬)」の概要を参照ください。

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