ニューヨーク博覧会のタイムカプセル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 16:48 UTC 版)
「タイムカプセル」の記事における「ニューヨーク博覧会のタイムカプセル」の解説
現在のタイムカプセルという言葉の直接の起源は1937年になる。1939年ニューヨーク博覧会の準備中、文明が崩壊しているかもしれない5,000年後(=6939年)のための「時限爆弾(タイムボム)」を埋めることが提案された。このアイデアは採用され、より穏当な「タイムカプセル」という言葉が使われるようになった。 この「タイムカプセル」という語を考えたのは、同博覧会の広報担当であった広報専門家でSF作家のジョージ・エドワード・ペンドレー(George Edward Pendray)だったとされる。 1939年、ニューヨーク博覧会においてウェスティングハウス社の展示の一部として、魚雷型の長さ7フィート6インチ、直径8インチ、重さ800ポンド(363kg)、内径 6.5インチ(16.5cm)のタイムカプセルが製作された。7つの鋳鉄の円筒がアスファルトで結合されたもの。内側は耐熱ガラスが張ってあり、真空にされたうえで、窒素が充満された。 ウェスティングハウス社の作った銅99.4%、クロム0.5%、銀0.1%の合金である cupaloy と称する合金でできたカプセルは鉄より硬いと宣伝され、糸巻、人形、本、主な穀物の種を入れた小瓶、顕微鏡、RKO映画の15分間のニュース映像、シアーズ・ローバック社の通信販売カタログや約14000語をふくむ辞書や年鑑を撮影したマイクロフィルムなど日用雑貨や当時の記録が収められ、フラッシング・メドウズ公園の会場内の地下 50フィート(15m)に1939年9月23日 A.W.Robertson によって埋められた。 中に容れる物としては他に、万年筆、製図用鉛筆、懐中時計、電球、煙草入れ、パイプ、巻き煙草、化粧品、婦人帽、眼鏡、歯ブラシ、歯磨剤、小型写真機、剃刀、缶切り、数種類の貨幣、重要金属と合金、毛、木綿、絹、リンネル、レーヨン、グラスファイバー、ゴムファイバー、アスベストクロース等の繊維類、ポートランドセメント、天然ゴム、人造ゴム、人造樹脂、5000年後に欠乏しているであろう石炭、普通の書籍約70冊分23000ページの書籍の極小フィルム、聖書1冊、このカプセルがいかにして成り立ったかその発見方法・英語発音に関する注意・将来人に渡されるべきメッセージを含む『The Book of record of the Time Capusule of capaloy』という書籍1冊、計2冊の実物大の書物がある。 1965年、同じ場所で開催された1964-65年ニューヨーク博覧会では、2個目のカプセルが 10フィート隣の同じ深さに埋められた。二つのカプセルは同じ6939年に開封される予定になっている。なお、大阪万博のタイムカプセルはニューヨーク万博のタイムカプセルの影響もあって実施された。
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