デジタルケーブルテレビ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:17 UTC 版)
「ケーブルテレビ」の記事における「デジタルケーブルテレビ」の解説
日本では、2000年前後から衛星・地上デジタル放送において普及展開しはじめたデジタルテレビ技術をケーブルテレビの放送にも適用したもの。デジタル化ケーブルテレビ。 衛星・地上デジタルテレビジョン放送の開始や2011年7月の地上アナログテレビ放送の終了などを見据えたケーブルテレビのデジタル化が求められ、2004年頃に大都市圏から開始していった。特に地上デジタル放送の放送エリアの中心である県庁所在地から(地理的に)離れた地域(山村・離島など)にもデジタル放送をサービスできるメリットがあり、三重県のようにCATVを使用することにより県内全域に渡り地上デジタル放送を利用することが可能となった地域もあるが、ケーブルテレビのみではカーナビなどの車載テレビやワンセグを受信できない欠点がある。 一方では地上波のデジタル化に伴い、区域外再放送が一部、困難な状況になってきた(詳細は区域外再放送を参照)。また、将来に向けてデジタル放送でのデータ放送・サーバ蓄積型放送などの新サービスへの対応も求められている。また、スカパー!の開始によるCSの多チャンネル化も、従来のアナログ変換では周波数領域の問題で多くは配信されなかったが、デジタル化によってそれに対応できるチャンネルが増加していった(必ずしも全部のチャンネルが配信されるというわけではない)。 デジタル再送信サービスでの伝送方式には衛星デジタル・地上デジタル放送の再送信の方式も含め幾つかの方式(後述の伝送の方式を参照)があり、実際のデジタルケーブルテレビ局においては各方式を組み合わせて実施されている。特にユーザ宅において1つのデジタルセットトップボックス (STB) で受信できるようにしたものを統合デジタルCATVシステムと呼ぶ。 なお、この統合デジタルCATVシステムの場合はBSやCSの有償提供に加えて地上波のパススルーサービスを提供する必要もある。ほとんどのデジタルSTBは放送ネットワークごと(地上波・BS・CSなど)に固有のチャンネル番号の設定が可能(例えば地上波とBSでチャンネル番号の重複が可能)な機能を備えているが、ダイレクト選局(チャンネル番号を直接押して選局する)がしやすくする便宜のためにサービス対象地域の地上デジタル放送のチャンネル番号割り当てを考慮してなるべく重複したチャンネル番号にならないようなチャンネルプランでサービス提供を行っている。 空中波放送のチャンネル体系とケーブルテレビでのチャンネルプラン例 地上波放送:1ch - 12ch⇒機器のチャンネル:011 - 121(下一桁は放送チャンネル内の枝番チャンネル。マルチチャンネル放送を行う場合に使用され、通常は1つのチャンネルにつき最大3つまで。1chの場合なら011, 012, 013などとなる) BS放送:1ch - 12ch⇒機器のチャンネル:011 - 121(下一桁は放送チャンネル内の枝番チャンネル。マルチチャンネル放送を行う場合に使用され、通常は1つのチャンネルにつき最大3つまで。1chの場合なら011, 012, 013などとなる) CS放送:通常200番台以降で、現状サービスでは地上波やBSのようなマルチ編成は行っていないので、枝番体系は採っていない。 例えば機器側では地上波の011、BSの011などのような異なった放送ネットワーク毎に重複した番号設定も可能であるが、実際のサービス運用では地上波はそのまま、BSは100番台にするなどのように重複を避けることでダイレクト選局の便を考慮したチャンネル体系を採る場合が多い。 また、このデジタル放送化のインフラ設備投資が膨大なため、営業権を譲渡したり、体力の無いケーブルテレビ局はデジタルへ完全移行時に廃業を余儀なくされたりする。既に長野県大町市にあるアルプスケーブルビジョンや岩手県盛岡市のテレビ都南などがそれぞれ廃業を明言し、廃業した。
※この「デジタルケーブルテレビ」の解説は、「ケーブルテレビ」の解説の一部です。
「デジタルケーブルテレビ」を含む「ケーブルテレビ」の記事については、「ケーブルテレビ」の概要を参照ください。
- デジタル・ケーブルテレビのページへのリンク