チオシアン酸アンモニウムとは? わかりやすく解説

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チオシアン酸アンモニウム

分子式CH4N2S
その他の名称ロダンアンモニウム、アンモニウムロダニド、ロダンアンモニウムAmmonium rhodanide、Thiocyanic acid ammonium、ロダンアンモン、硫シアン化アンモニウムAmmonium sulfocyanide、NA-9092、Rhodanid、ロダニド、USAF EK-P-433、trans-AID、Ammonium thiocyanate、Thiocyanic acid ammonium salt、Rhodan ammonium
体系名:アンモニウムチオシアナート、チオシアン酸アンモニウム


チオシアン酸アンモニウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/27 10:14 UTC 版)

チオシアン酸アンモニウム
ammonium thiocyanate
識別情報
CAS登録番号 1762-95-4 
PubChem 6857883
RTECS番号 XN6465000
特性
化学式 NH4SCN
モル質量 76.122 g/mol
外観 吸湿性のある、無色の結晶性固体
密度 1.305 g/cm3
融点

149.5 °C

沸点

170 °C (分解)

への溶解度 128 g/100 mL (0℃)
アンモニアアルコールアセトンへの溶解度 可溶
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

チオシアン酸アンモニウム: ammonium thiocyanate)はチオシアン酸のアンモニウム塩で、化学式NH4SCNで表される化合物。

用途

除草剤チオ尿素マッチ、合成樹脂の製造原料のほか防錆や繊維の染色にも用いられる。また、石炭を燃やした際に発生する気体から硫黄を取り除く液体の主成分でもある[1]

製造

二硫化炭素アンモニア水から、中間体であるアンモニウムジチオカルバメートを経て、チオシアン酸アンモニウムと硫化水素が得られる。

CS2 + 2 NH3(水溶液) → NH2C(=S)SNH4 → NH4SCN + H2S

反応

空気中では安定しているが、加熱によりチオ尿素を生じる。

平衡混合物として、150℃で30.3%、180℃で25.3%のチオ尿素を含む。乾燥状態で200℃まで加熱すると、アンモニアや硫化水素、二硫化炭素、チオシアン酸グアニジンを生じ分解する。チオシアン酸アンモニウムは弱酸性であり、水酸化ナトリウム水酸化カリウムとの反応により、それぞれチオシアン酸ナトリウムチオシアン酸カリウムを生じる。と反応し、赤色のチオシアン酸鉄錯体を生じる。

6 SCN- + Fe3+ → [Fe(SCN)6]3-

亜鉛水銀などの金属イオンと反応し、チオシアン酸塩の沈殿を生じる。

脚注

  1. A. F. Wells, Structural Inorganic Chemistry, 5th ed., Oxford University Press, Oxford, UK, 1984.


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