シアン化アンモニウムとは? わかりやすく解説

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シアン化アンモニウム

分子式CH4N2
その他の名称Ammonium cyanide、シアン化アンモニウム
体系名:アンモニウムシアニド


シアン化アンモニウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/27 10:15 UTC 版)

シアン化アンモニウム
Ammonium cyanide
識別情報
CAS登録番号 12211-52-8
PubChem 159440
ChemSpider 140210 
特性
化学式 NH4CN
モル質量 44.0559 g/mol
外観 無色の結晶性固体
密度 1.02 g/cm3
沸点

36 ℃

への溶解度 易溶
溶解度 アルコールに易溶
関連する物質
その他の陰イオン 水酸化アンモニウム
アジ化アンモニウム
硝酸アンモニウム
シアン酸アンモニウム
その他の陽イオン シアン化ナトリウム
シアン化カリウム
関連物質 アンモニア
シアン化水素
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

シアン化アンモニウム(シアンかアンモニウム、: Ammonium cyanide)は無機化合物の一種。分子式はNH4CN.

用途

有機合成化学で使用されるが、不安定であるため通常は市販されていない。

製法

低温のアンモニア水シアン化水素を吹き込むことにより得られる。

HCN + NH3(aq) → NH4CN(aq)

シアン化カルシウム炭酸アンモニウムとの反応によっても作りだすことができる。

Ca(CN)2 + (NH4)2CO3 → 2 NH4CN + CaCO3

乾燥状態で、シアン化カリウムまたはフェロシアン化カリウム塩化アンモニウムを混合・加熱し、蒸気を凝縮するとシアン化アンモニウムの結晶が得られる。

KCN + NH4Cl → NH4CN + KCl

反応

分解により、アンモニアとシアン化水素を生じる。しばしば、シアン化水素の黒色のポリマーを形成する。

NH4CN → NH3 + HCN

金属塩の水溶液中では複分解反応を受ける。グリオキサールとの反応ではグリシンを生じる。

NH4CN + (CHO)2 → NH2CH2COOH + HCN

ケトンと反応させるとアミノニトリルが得られる。

NH4CN + CH3COCH3 → CH3C(NH2)(CN)CH3 + H2O

毒性

固体や水溶液は強い毒性を持ち、摂取により死亡する場合もある。固体は、猛毒のシアン化水素とアンモニアとに分解する。

化学組成

元素組成: 水素 9.15%、炭素 27.23%、窒素 63.55%

シアン化アンモニウムは、塩を加熱して分解生成物を補足することにより分析することができる。水溶液においては、シアン化物イオンは、硝酸銀滴定法またはイオン選択電極法、アンモニアは滴定法または電極法で分析する。

脚注

  1. A. F. Wells, Structural Inorganic Chemistry, 5th ed., Oxford University Press, Oxford, UK, 1984.


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