ギ酸アンモニウムとは? わかりやすく解説

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ギ酸アンモニウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/27 10:15 UTC 版)

ギ酸アンモニウム
識別情報
CAS登録番号 540-69-2 
PubChem 2723923
ChemSpider 10442 
RTECS番号 BQ6650000
特性
化学式 NH4HCO2
モル質量 63.0559 g/mol
外観 白色単斜晶系結晶
潮解性
密度 1.280 g/cm3
融点

116 °C, 389 K, 241 °F

沸点

分解

への溶解度 102 g/100 mL (0 °C)
143 g/100 mL (20 °C)
531 g/100 mL (80 °C)
溶解度 液体アンモニアアルコールジエチルエーテルに可溶
危険性
安全データシート(外部リンク) JT Baker MSDS
GHSピクトグラム [1]
Hフレーズ H315, H319, H335[1]
Pフレーズ P261, P305+351+338[1]
NFPA 704
0
1
0
Rフレーズ R36/37/38
Sフレーズ S26, S36
半数致死量 LD50 2250 mg/kg, 経口 (マウス)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ギ酸アンモニウム(Ammonium formate)は、NH4HCO2という化学式を持つギ酸アンモニウム塩である。無色吸湿性の結晶固体である。

利用

純粋なギ酸アンモニウムは、加熱するとホルムアミドに分解され、これが工業的な主な利用となる。また、ギ酸アンモニウムと希酸を反応させるとギ酸が得られ、ギ酸アンモニウムはギ酸からも作られるため、ギ酸の貯蔵形態としても使われる。

ギ酸アンモニウムは、官能基パラジウム炭素還元にも用いることができる。パラジウム炭素の存在下で、ギ酸アンモニウムは水素二酸化炭素アンモニアに分解される。生成した水素ガスはパラジウムの表面に吸収され、そこで様々な官能基と反応する。例えば、アルケンアルカンに還元され、ホルムアルデヒドメタノールに還元される。活性なヘテロ原子―炭素単結合を切断し、水素に置換することもできる(水素化分解)。

ギ酸アンモニウムは、アルデヒドケトン還元的アミノ化にも用いることができる(ロイカート反応)。

ギ酸アンモニウムは、高速液体クロマトグラフィーのバッファとして用いることもでき、LC/MSを行うのに適している。ギ酸アンモニウムとアンモニウムイオン酸解離定数は、それぞれ3.8と9.2である。

反応

ギ酸アンモニウムは、加熱すると水を失ってホルムアミドになる。さらに過熱を続けると、シアン化水素と水になる。この反応の副反応は、ホルムアミドの一酸化炭素とアンモニアへの分解である。

出典

  1. ^ a b c Online Sigma Catalogue , accessdate: July 7, 2011.



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