ギ酸アンモニウムとは? わかりやすく解説

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ギ酸アンモニウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/05 02:13 UTC 版)

ギ酸アンモニウム
Skeletal formula of ammonium formate
Ball-and-stick model of ammonium formate
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.007.959
PubChem CID
RTECS number
  • BQ6650000
UNII
CompTox Dashboard (EPA)
性質
CH5NO2
モル質量 63.06 g·mol−1
外観 白色の単斜晶系結晶、潮解性
匂い わずかにアンモニア臭
密度 1.26 g/cm3[1]
融点 116 °C (241 °F; 389 K)
沸点 180 °C (356 °F; 453 K) 分解[2]
(水 100 g あたり)102g(0 °C)
142.7 g (20 °C)
202.4 g (40 °C)
516 g (80 °C)[2]
溶解度 アンモニア水、エタノール、ジエチルエーテルに溶ける[2]
危険性
GHS表示:
[1]
Warning
H315, H319, H335[1]
P261, P305+P351+P338[1]
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
Health 2: Intense or continued but not chronic exposure could cause temporary incapacitation or possible residual injury. E.g. chloroformFlammability 1: Must be pre-heated before ignition can occur. Flash point over 93 °C (200 °F). E.g. canola oilInstability 1: Normally stable, but can become unstable at elevated temperatures and pressures. E.g. calciumSpecial hazards (white): no code
2
1
1
致死量または濃度 (LD, LC)
410 mg/kg (マウス, 静脈)[2]
安全データシート (SDS) JT Baker MSDS
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
 verify (what is  N ?)

ギ酸アンモニウム(Ammonium formate)は、NH4HCO2という化学式を持つギ酸アンモニウム塩である。無色吸湿性の結晶固体である。

利用

純粋なギ酸アンモニウムは、加熱するとホルムアミドに分解され、これが工業的な主な利用となる。また、ギ酸アンモニウムと希酸を反応させるとギ酸が得られ、ギ酸アンモニウムはギ酸からも作られるため、ギ酸の貯蔵形態としても使われる。

ギ酸アンモニウムは、官能基パラジウム炭素還元にも用いることができる。パラジウム炭素の存在下で、ギ酸アンモニウムは水素二酸化炭素アンモニアに分解される。生成した水素ガスはパラジウムの表面に吸収され、そこで様々な官能基と反応する。例えば、アルケンアルカンに還元され、ホルムアルデヒドメタノールに還元される。活性なヘテロ原子―炭素単結合を切断し、水素に置換することもできる(水素化分解)。

ギ酸アンモニウムは、アルデヒドケトン還元的アミノ化にも用いることができる(ロイカート反応)。

ギ酸アンモニウムは、高速液体クロマトグラフィーのバッファとして用いることもでき、LC/MSを行うのに適している。ギ酸アンモニウムとアンモニウムイオン酸解離定数は、それぞれ3.8と9.2である。

反応

ギ酸アンモニウムは、加熱すると水を失ってホルムアミドになる。さらに過熱を続けると、シアン化水素と水になる。この反応の副反応は、ホルムアミドの一酸化炭素とアンモニアへの分解である。

出典

  1. ^ a b c d Sigma-Aldrich Co., Ammonium formate. Retrieved on 2014-06-10.
  2. ^ a b c d Ammonium formate”. 2025年10月5日閲覧。



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