ダイヤ維持と過去最大の遅延
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 06:37 UTC 版)
「東海道新幹線」の記事における「ダイヤ維持と過去最大の遅延」の解説
東海道新幹線は世界的に見てもダイヤに正確な路線として知られ、1列車当たりの平均遅延時分は約0.6 - 1.5分(年間平均)である。ただし季節ごとなどで見れば、前述のように冬は関ヶ原の積雪、夏と秋は台風や豪雨などが遅延の原因となる。 正確である要因としては基本的に単一路線であり、ダイヤが乱れやすい他の新幹線との分岐や在来線との直通運転(山形新幹線・秋田新幹線のミニ新幹線)がなく、使用車両の差異が少ないことが大きく貢献している。在来線からの接続列車が遅れた場合も、新幹線側が発車を遅らせて乗り換え客を待つのは最終を除き最大5分程度を上限としており、列車本数の多い新幹線の定時運行を優先している。 開業以来最悪の遅延記録は、2000年(平成12年)9月11日に名古屋を中心に起きた東海豪雨によるものである。名古屋市周辺では一部河川の警戒水位を越える降雨にもかかわらず「新幹線を運休させるわけにはいかない」と東京駅・新大阪駅から次々に発車させた。各列車は徐行と停止を繰り返し、東京駅 - 米原駅間だけで70本近くの列車が集中、5万人を超える乗客が長時間車内に閉じ込められ、列車内で夜を明かす事態となった。翌12日昼過ぎになってもダイヤの混乱は収拾せず、博多発東京行き「のぞみ20号」は“22時間21分遅れ”で終点到着という新幹線史上最悪の遅延記録を作った。「もっと早く運転を中止すべきだった」と運行管理の不手際を各方面から問われ、運輸省(現在の国土交通省)がJR東海に事情説明を求める事態にも発展した。当時の社長葛西敬之は「正常で適切な運行だった」と発言し非難を受け、後日撤回し謝罪した。 近年では沿線上で運行障害が発生した場合、始発駅または山陽新幹線からの直通列車は新大阪駅から列車の運転を見合わせる措置を採っているため、大幅な遅延は解消された。
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