タイトルホルダーとして
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2010年の第3期マイナビ女子オープンでは本戦トーナメントを勝ち進み、2年ぶりにタイトル挑戦を決める。4月からの五番勝負では矢内理絵子女王を3連勝のストレートで下し、2度目の挑戦で初タイトルである女王を獲得。タイトル1期として女流三段に昇段した。特に第3局は双方持ち時間を使い果たしての1分将棋になってからが長く、二転三転する181手の大熱戦であった。 さらに続く第21期女流王位戦でも挑戦者決定戦で紅組優勝の石橋幸緒を破り、清水市代女流王位に挑戦。5月から行われた五番勝負では清水を3勝1敗で破り、タイトル奪取。史上5人目の女流二冠となる。僅か2ヶ月前までタイトル獲得歴が全くなく、タイトル挑戦3回目での達成であった。それらの活躍で第38回将棋大賞女流棋士賞を受賞した。 2011年の第4期マイナビ女子オープン五番勝負では上田初美に3連敗して失冠したが、第22期女流王位戦の五番勝負では清水市代の挑戦を3勝2敗で退けて防衛した。これで通算タイトル獲得3期とし、結果として女流三段を一度も名乗ることなく女流四段に昇段。 2012年の第23期女流王位戦五番勝負では里見三冠に3連敗して失冠。保持していたタイトルを失った。 しかし翌2013年の第24期女流王位戦では挑戦者決定戦で勝利しタイトル戦に再挑戦。相手は直前の第6期マイナビ女子オープンで史上初の女流五冠になり、女流六冠をねらう里見香奈であったが、5月からの五番勝負はフルセットの末、3勝2敗で女流王位を奪還。一方里見は実に15回目の女流タイトル戦で初めて敗退し女流四冠に後退した。さらに第21期倉敷藤花戦でも挑戦権を得て、10月からの3番勝負では2勝1敗で里見を破り、初の倉敷藤花を獲得。再び女流二冠(女流王位・倉敷藤花)に返り咲いた。さらにその間に行われた10月24日の王位戦予選2回戦では、当時順位戦A級・竜王戦1組所属で王位三連覇などの実績を持つ深浦康市九段を133手で破る大金星を挙げている。それらの活躍により2014年の第41回将棋大賞の最優秀女流棋士賞を受賞した。 2014年の第25期女流王位戦3番勝負では3期ぶりにタイトル戦に登場した清水市代の挑戦を受け、第1局は千日手指し直しの末敗れるものの、その後3連勝して防衛した。第22期倉敷藤花戦でも25年ぶりのタイトル挑戦となった山田久美を退けタイトル防衛。通算タイトル7期となり、これにより女流五段に昇段する。 しかし翌2015年は前年度の休場から復帰してきた里見香奈の挑戦を受け、第26期女流王位戦、第23期倉敷藤花戦の番勝負で続けてストレート負けを喫し再びタイトルを失った。これで通算5期獲得で資格を得るクイーン王位は来期以降に持ち越しとなった。
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