タイトルの大きな壁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 15:57 UTC 版)
2005年、竜王戦の挑戦者決定三番勝負において2-0で三浦弘行を破り、ついにタイトル初挑戦。挑戦を決めた対局の後、盤の前に一人残り、涙を流した。しかし、七番勝負は渡辺明竜王に0-4で敗れる。 2006年度、第65期順位戦B級1組において1位(9勝3敗)の成績を挙げ、2007年4月、A級八段となる。 同じく2007年、竜王ランキング戦1組で優勝。さらに挑戦者決定三番勝負に進出するも、佐藤康光に1-2で敗れる。 2008年、自身4度目の竜王挑戦者決定三番勝負で、7年ぶりに羽生と挑戦権を争う。さらに王座戦でも王座16連覇中の羽生への挑戦権を得、五番勝負を戦う(自身2度目のタイトル戦登場)。この2つの番勝負は日程が並行していたため、羽生との「八番勝負」のようになったが、いずれも敗退した(竜王挑決1-2、王座戦0-3)。 2009年度、第79期棋聖戦挑戦者決定戦(2009年5月7日)で、同棋戦初参加の稲葉陽を破り羽生棋聖への挑戦権を得る。さらに、第50期王位戦でも、羽生名人、渡辺竜王らを破って深浦康市王位への挑戦権を得、タイトル2連続挑戦。羽生との棋聖戦五番勝負は第3局まで2勝1敗でリードして、奪取にあと1勝としたが、第4局で敗れてフルセットの戦いとなる(第4局のネット中継では、最終盤に羽生の手が激しく震えたことが紹介された)。そして、第5局(2009年7月17日)は王位戦第1局(2009年7月13日 - 14日、木村の勝ち)より後に行なわれたが、羽生に敗れ、棋聖位奪取を逃す。また、王位戦七番勝負でも第3局まで3連勝したものの、第4局から4連敗を喫し、またしても初タイトル獲得に失敗している。七番勝負での3連勝4連敗は、将棋界では2例目である。これで将棋大賞の敢闘賞を受賞した。 デビュー以来第68期(2009年度)まで順位戦で13期連続負け越しなしを記録(勝ち越し12、指し分け1。A級では3期連続で5勝4敗)。その時点までA級経験者で順位戦の負け越しが一度もないのは、木村一基、木村義雄十四世名人(名人8期・A級2期で引退)、森内俊之(名人5期・A級17期)の3名だけであった。しかし、第69期(2010年度)A級順位戦で初の負け越しを喫した。 第4回(2010年度)朝日杯将棋オープン戦において、2011年2月12日に行われた準決勝(対渡辺明竜王)・決勝(対羽生善治名人)の2局で連勝し、全棋士参加棋戦での初優勝を果たす。しかし、3月2日に行われたA級順位戦最終戦で、残留争いの渦中にいた三浦に負け、B級1組への降級が確定。 2014年、第55期王位戦挑戦者決定戦(2014年5月26日)で千日手指し直しの末、千田翔太四段に勝利し、羽生王位への挑戦権を獲得するも、2勝4敗1持将棋で、タイトル獲得ならず。 2016年、第57期王位戦挑戦者決定戦(2016年6月1日)でも豊島将之七段に勝ち、2年ぶりに羽生王位への挑戦権を獲得。七番勝負は第5局の時点で木村が3勝2敗と先行、初タイトルまであと1勝と迫ったが、第6局と第7局で連敗。3勝4敗で木村のタイトル獲得は成らなかった。これで勝てば初タイトルとなる対局で8局連続敗北したことになる。またタイトル獲得無しの挑戦6回は森下卓と並んで最多記録となった。
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