スーパーシルエットとは? わかりやすく解説

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特殊プロダクションカー

(スーパーシルエット から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/03 17:12 UTC 版)

シルエットフォーミュラを代表する車種である、ポルシェ・935

特殊プロダクションカー (とくしゅプロダクションカー、: Voiture de Production Spéciales, : Special Production Car) は、かつてモータースポーツ用に規定されていた競技用自動車の一類型である。量産乗用車の基本設計を基に競技専用に特別製造されていた。量産車の基本輪郭のみ残したも同然の規定であることから、シルエットフォーミュラスーパーシルエット)の異名を持つ。

ポルシェに対抗するために開発されたBMW・M1

概要

国際自動車連盟の国際モータースポーツ競技規則付則J項に1976年から1981年まで規定されていた[1]。 公認生産車のカテゴリーAにグループ5として属しているが、カテゴリーAの公認車両である量産ツーリングカー (グループ1) からグランドツーリングカー (グループ4) を基にしていれば生産台数の要件はない。

市販乗用車の車体をベースとしているが、大幅な改造のうえにエンジン等はレース専用に設計・製作されたものを使用し、「フォーミュラカー」のような純レーシングカーに、市販乗用車のシルエットだけ残るということから「シルエットフォーミュラ」と呼ばれるようになった[2]。現在ではこのようなレーシングカーの形態は一般的であるが、当時はまだ珍しく、レース業界に衝撃を与えた。

歴史

1976年(昭和51年)国際自動車連盟 (以下、FIA) は、それまでスポーツカー (1975年までの試験的競技車カテゴリーBグループ5) で競われていたメイクス世界選手権を、特殊プロダクションカー (以下、シルエットフォーミュラ) で競うことに変更した[3]。 連続24月間内に400台の製造を最低要件とされた市販車のイメージを残すシルエットフォーミュラで、より多くのメーカーの参加を目論んだFIAだったが、意に反しポルシェのワンサイドゲームとなり、決して成功したカテゴリーとはならなかった[4]

ル・マン24時間レースにも参戦できたが、基本的には二座席レーシングカー (1976年からのレーシングカーカテゴリーBグループ6[注釈 1])の後塵を拝していた。しかし1979年にグループ6勢のトラブルによる脱落もあって、グループ5のポルシェが表彰台独占での総合優勝を果たした。

メイクス世界選手権は1981年から世界耐久選手権となり、対象車両もかつてのスポーツカーの後継類型といえる二座席レーシングカーに変更され、翌1982年には競技車両規定が全面改編され、それと同時にシルエットフォーミュラは廃止された[5]

日本におけるシルエットフォーミュラ

ニチラ シルビア スーパーシルエット S110型をベースにS12型の外装を持つ

1979年(昭和54年)から富士グランチャンピオンレース(富士GC)のサポートレースとして「富士スーパーシルエットシリーズ」(富士SS)が開始された[6]。当初はTS(特殊ツーリングカー)クラスのマツダ・サバンナRX-3と、GTクラスの日産・フェアレディZがそのまま参戦していたが、ほどなくして日産から710/PA10型バイオレットターボが参戦し、トヨタはトムスシュニッツァーチューンのRA20系セリカLBターボ輸入して参戦した。その後、日産はS110型シルビアガゼールターボを、トヨタは童夢製作のRA40系セリカターボをそれぞれ投入した。

1982年(昭和57年)には、日産はR30型スカイライン(長谷見昌弘)、S110型シルビア(星野一義)、910型ブルーバード(柳田春人)を投入[6]。これら「日産ターボ軍団」とBMW・M1の激突で、富士や筑波サーキットで開催されたスーパーシルエットレースは大いに人気を博した。これがきっかけとなり、日産は1984年(昭和59年)にニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(ニスモ)を設立するなど、本格的なワークス活動を再開することになる。

国際的には1982年(昭和57年)を最後にカテゴリが消滅したため、日本におけるスーパーシルエットレースも段階的に縮小し、シリーズ戦は1983年(昭和58年)限りで終了[7]WEC-JAPANには特認で「GT-JAPAN」クラスが設けられた)。1984年(昭和59年)には2戦だけが開催され、これをもって完全に終焉となった。

その後、1999年平成11年)に全日本ツーリングカー選手権の後継レースとして「Super Silhouette Car Championship」(SSCC)なるレースが企画されたが、このレースで使われる予定だった「スーパーシルエット」は市販車とは別のパイプフレームシャシを持つなど、むしろストックカーに近く、1980年代のスーパーシルエットとは全く異なっていた。最終的にシリーズ開催は実現せず、マシンもトヨタ・チェイサーベースのプロトタイプ車が製作されるのみに留まった。

玩具等

日本では1970年代後半から1980年代前半にかけて、当時のスーパーカーブームに乗る形で田宮模型(現・タミヤ)から多数のシルエットフォーミュラがプラモデル化されたこともあり、当時の年少ファンを中心に人気があった。田宮模型からはポルシェ・935のほか、BMW・320i turbo、ランチア・ストラトスターボ、フォード・カプリ、そして西ドイツのトヨタディーラーがシュニッツァー・モータースポーツにエンジンの製作とチューンを依頼し、ドイツレーシングカー選手権を戦っていたRA20系トヨタ・セリカLBターボがモデル化された。変わったところでは、ランボルギーニ・カウンタックトヨタ・2000GTをそれぞれ架空のシルエットフォーミュラ化した車両が製品化(前者はフジミ模型、後者は青島文化教材社)されており、トヨタ・2000GTは漫画『サーキットの狼』にも登場している。

代表的なベース車両

注釈

[脚注の使い方]
  1. ^ 試験的競技車は1975年をもって廃止されたため、それまでカテゴリーCであったレーシングカーが1976年からカテゴリーBとなった

出典

[脚注の使い方]
  1. ^ RoA 2019, pp. 8, 11, 13–15.
  2. ^ RoA 2019, pp. 8, 106.
  3. ^ RoA 2019, p. 11-13.
  4. ^ RoA 2019, pp. 13, 106.
  5. ^ RoA 2019, p. 15.
  6. ^ a b RoA 2019, p. 86.
  7. ^ RoA 2019, p. 106.

参考文献


スーパーシルエット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 20:54 UTC 版)

ハートキャッチプリキュア!」の記事における「スーパーシルエット」の解説

プリキュア・ハートキャッチ・オーケストラを発動時に4人がハートキャッチミラージュの力を受けてパワーアップした姿。変身時の掛け声は「鏡よ鏡、プリキュアに力を! 世界に輝く一面の花、ハートキャッチプリキュア! スーパーシルエット!!」。 ポプリが持つ金色の「スーパープリキュアの種」をハートキャッチミラージュテーブルセットし、4人のプリキュアハートキャッチミラージュ呼びかけることで変身できる。全員コスチューム純白メインとなって、各プリキュアメインカラー薄くなる通常時比べ鋭いシルエットとなり、背中ハートの形をした光る帯をつけ、ハートキャッチミラージュから射出されるハートあしらったスーパーイヤリングかスーパーティアラを4人それぞれがつけている。 これまでの作品では「映画限定強化形態登場」したり、前作のように「映画先行登場し、後にテレビシリーズでも登場」という形が取られていたが、本作品では「テレビシリーズ強化形態先行登場し映画にも登場」というパターンでの登場となったまた、前後作品では強化形態最終決戦のみの登場だったのに対し本作品では4クール手前初登場し、以降ほぼ毎回使用されている。 スーパーキュアブロッサム 頭のリボン形状変わりスカート先端が尖る。両手純白色の長手袋をつけており、ロングブーツがニーハイロングブーツへと変わる。 スーパーキュアマリン ブロッサム同じくスカート先端が尖る。両手純白色の長手袋をつけており、ショートブーツ形状変わりオーバーニーソックスがさらに長くなるスーパーキュアサンシャイン マリン同じく頭にティアラをつけるようになり、スカート先端が尖る。両手純白色の長手袋をつけており、編み上げ模様増えたニーハイロングブーツへと変わる。 スーパーキュアムーンライト 肩の袖飾り装飾一回り大きくなり、コスチュームの黒い部分は白に変わる。スカート先端鋭く尖りサンシャイン同様のニーハイロングブーツへと変わる。右手にのみ白い長手袋をつけており、左手素手で白いリストバンドをしている。 必殺技 プリキュア・ハートキャッチ・オーケストラ 「花よ咲き誇れ!」の掛け声で4人が同時に放つ必殺技ハートキャッチミラージュから純白の衣を纏った巨大な女神召喚し、4人の掛け声女神操り、拳を叩きつけて地面粉砕しつつ敵をその掌中収める最後通常の必殺技同様の動作浄化する

※この「スーパーシルエット」の解説は、「ハートキャッチプリキュア!」の解説の一部です。
「スーパーシルエット」を含む「ハートキャッチプリキュア!」の記事については、「ハートキャッチプリキュア!」の概要を参照ください。

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