スポーツ紙、夕刊紙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 02:22 UTC 版)
夕刊紙と呼ばれる新聞は、主に退勤時のサラリーマンなどに向けて、夕刊のみ駅売店やコンビニエンスストアなどで販売されるもので、野球などのスポーツや芸能(テレビ・ラジオ・タレント・マスメディアの情報)、歓楽街の情報などに紙面スペースが割かれ、一般紙よりも娯楽性の強い紙面内容となっている。一般紙の半分のサイズであるタブロイド判のものが多い。また、一般に「夕刊紙」と認知されているものであっても、狭義の「新聞」には分類されず、「夕刊誌」(雑誌扱い)の場合もある。この場合、新聞社の組織する記者クラブには加盟できない。新聞の性格上、女性を意識した紙面づくりにはなっていない。また、スポーツ記事も主力購買層のサラリーマンが好むとされる野球やゴルフ、競馬の記事は充実しているが、若いファンの多いサッカーの記事はそれほど多くない。なお、夕刊紙は事あるごとに「サラリーマンの味方」である事をしきりに強調するが、収入やある程度の身分保障の面などで、大手夕刊紙の正社員と中小企業や派遣会社のサラリーマンとでは格差がある。夕刊紙においては、売店等のスタンドでよく目立つように煽動的な見出しに重きが置かれている。『東京スポーツ』はその事が「東スポは日付以外は合ってない」「日付以外は全て誤報」(浅草キッド談)などとして、「飛ばしの東スポ」の異名と共に、逆に熱烈な読者を獲得するに至った。 なお、『株式新聞』『日本証券新聞』といった証券専門紙も、その日の株式市場終了後に夕刊として首都圏のキヨスクなどで販売されている。その日の相場を知る速報版として存在感を発揮している。 スポーツ紙(スポーツ新聞)も、基本的に朝刊のみであること以外、内容的には夕刊紙とほぼ同一である(過去には『デイリースポーツ・東京』、『スポーツニッポン・大阪』のみ駅売り用夕刊があったが、現在スポーツ新聞の夕刊は専売の東京スポーツのみとなり、大手朝刊紙の夕刊はなくなった)。ただ、新聞店からの月極め宅配があり(宅配版は生徒児童が家庭にいることを考慮して歓楽街の情報ページなどのアダルト記事がテレビ欄に差し変わる)、タブロイド判ではなく、一般紙と同じ紙面サイズ(ブランケット判)であることが夕刊紙と異なる。多くが一般紙の傘下、もしくは資本関係下にある。ただし、『サンケイスポーツ』と『夕刊フジ』は『産経新聞』の、『中日スポーツ』と『東京中日スポーツ』は『中日新聞』の、それぞれ直轄である。 社会面もあるが、一般紙とは違い、スタンドで選ばれるための扇動的な見出しが見受けられる。人によっては、通勤時にスポーツ紙でスポーツ以外の社会のことも知ろうとしているが、デーブ・スペクターはこの光景を「日本のサラリーマンはスポーツ紙ですべてのことを知ろうとするから、世の中のことに関して浅はかになる。スポーツ紙の政治記事なんておまけみたいなものなのに」云々と批判している。
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