スペクターのオーバーダビングをめぐる論争とは? わかりやすく解説

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スペクターのオーバー・ダビングをめぐる論争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 01:29 UTC 版)

ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」の記事における「スペクターのオーバー・ダビングをめぐる論争」の解説

作家のピーター・ドゲット(英語版)によると、マッカートニースペクターからアセテート盤受け取った際に、バンドメイトの意見合わせる必要性感じたとのこと。しかし、後にアセテート盤聴き返したマッカートニーは、スペクター施したオーバー・ダビングに対して激怒し4月10日ソロ・アルバムマッカートニー』のプレスリリースで、「今後ビートルズメンバー創作活動をすることはない」と発言した4月14日マッカートニーは、クレインに対して手紙通して本作からオーバー・ダビングした要素消去するように要求したクレインマッカートニー電話をかけたが、マッカートニーアップル報告なく番号変更していたため繋がることはなかった。このためクレインマッカートニーに対して電報通してスペクター連絡するように伝えた4月22日23日行なわれた『イヴニング・スタンダード(英語版)』紙のインタビューで、マッカートニーは「アルバム1年前に完成してたんだ。でも数か月前にジョン呼ばれたフィル・スペクターいくつかの曲を手直ししたんだ。数週間前になって『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』のリミックス版が僕のもとに送られてきた。そのミックスハープホルンオーケストラ、それから女声コーラス飾り立てられてて…僕は全く知らされてなかったんだ。信じられないよ。アセテート盤には、『これは必要なアレンジだ』というアラン・クレインからのメモ書き添えられててさ。この一件フィル責めるつもりはないけど、ただここにこうして黙って座ってたら、好き勝手にされてしまうことに気がついたんだ。だからフィル警告の意味で僕の要望書いた手紙送ったけど、未だに返事が来ないんだ」と語っている。 マッカートニークレイン対しビートルズパートナーシップ解消するように要求したが、クレインはこれを拒否。これに憤慨したマッカートニーは、1971年初頭クレイン及び他の3人のメンバー対しビートルズの解散及びアップル・コアにおける共同経営解消求め訴訟ロンドン高等裁判所起こした。その理由一つとしてマッカートニーは「自分許可なく、『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』に手を加えたこと」を挙げた。これに対しスター宣誓供述書の中で「スペクターアセテート盤送ってきた時にメンバー全員スペクター作業承認したスペクター電話でも『気に入ってくれたかい?』と尋ねてきて、ポールは『うん、問題ないよ』と返答していた。ところが、それから2週間後にポールはこれをキャンセルしようとした」と反論した同年3月12日マッカートニー訴え認められパートナーシップ解消されビートルズ正式に解散することとなったスペクターは、オーバー・ダビング・セッションを行なった理由について、レノンベース演奏ミスカバーするために行なったとしている。音楽評論家イアン・マクドナルド英語版)は、著書Revolution in the Head』の中で本作について「この曲は、バラード奏者が歌うスタンダード・ナンバーとして作られた。レノンによる酷いベース演奏特徴で、ハーモニーおぼつかない感じで、ところどころおかしなミス犯している。『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』で聴けレノン粗末なベースは、ほとんど偶発的なものだが、完成した作品としてみた場合妨害行為といえると書いている。 1997年11月4日行なわれたQアワード授賞式会場で、マッカートニースペクター鉢合わせた。その際マッカートニーは、スペクターに対してスペクター14人のコーラス隊をオーバー・ダビングする前に早く家に帰らなくちゃ」というジョーク発して立ち去った2003年マッカートニーハリスンスターレノン未亡人であるオノ・ヨーコ承認得て当初コンセプト沿うかたちで編集施され『レット・イット・ビー...ネイキッド』発売された。同作には映画『レット・イット・ビー』2015年発売された『ザ・ビートルズ1』に付属DVD/Blu-ray収録され1月31日レコーディングされたテイク使用されており、オリジナル版での「Anyway, you'll never know the many ways I've tried」というフレーズが、「Anyway, you've always known the many ways I've triedとなっている。その一方でオーケストラをはじめとしたその他の楽器オーバー・ダビングされていないため、当初コンセプトに近いアレンジとなっている。

※この「スペクターのオーバー・ダビングをめぐる論争」の解説は、「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」の解説の一部です。
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