シードのシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 01:27 UTC 版)
「全日本大学野球選手権大会」の記事における「シードのシステム」の解説
2016年度以降は前年度ベスト4の連盟とそれを除き過去10年間で優勝回数の最も多い連盟の所属校の5校を2回戦から登場するシード校としている。ただし過去には幾多の変遷をたどっていて、度々何らかの変更がなされている。 大会初期のころを除き、かつては過去の所属連盟としての優勝回数が多い上位から4校であったり、6校であったり8校であったりしたが、近年は前年のベスト4のみの場合や、それに優勝回数の上位(後述の連盟別優勝回数を参照)から幾つかを加えるという形に落ち着いていた。但し校数はその年の事情によって異なり、この事情のせいで素人目には難解な調整方法が採られていた。 複雑な決定方法とその裏事情 表向きにはされていないが、大会運営としての集客上・広報戦略上の見地から、優勝回数や上位進出の期待や可能性が、いずれも高いとされる(それぞれの実績については後述の大会の歴代の記録を参照)東京六大学野球連盟代表と東都大学野球連盟代表の対決が、早い段階でおこなわれない考慮が働いていた。以前は、過去の実績としての連盟別優勝回数という条件だけでシードを選出していたので、選択方法の方針が統一の点ではシンプルであった。その後、選手権大会の運営がそれまでの東京六大学野球連盟中心(開催地であるという主な理由)から、全国の連盟からの選出された学生中心の運営に変わった。その為「過去の成績のみで決めるのは適当ではない。」との意見が多くなり、前年のベスト4を中心に選ぶ方法が導入された。しかし、前述両連盟を組み合わせで早い段階で当たらない様にする方針は長期間にわたって継続されていた。 いつ頃から調整が入るようになったかは定かでないが、1975年の第24回大会を最後に、54回大会までは東京六大学・東都の両連盟代表が決勝以外で当たるような組み合わせになった事は一度も無かった。それ以前でも8回だけと少ない。2006年の55回大会では31年振りに決勝以外で六大学と東都の代表が対戦する組み合わせが実現したが、25回大会から63回大会までは55回大会の一度のみとなっていた。 ただしこれらは、特定連盟を有利に導くために行なわれているものではなく、長い大会の歴史の中で積み重ねられた結果と大学野球を取り巻く現状から導き出された運営面からみた戦略上のテクニックとして行なわれていた。 組み合わせの発表時にシード校名とその理由の説明が併記されるのが通例であったが、年次によっては理由には全く触れずにシード校名のみの発表だったり、シード校があること自体を発表しない年もあった(実際には発表されない大会でも何らかの組み合わせ調整が行なわれていた)。 第62回大会以降 第62回(2013年度)大会の組み合わせより、シードの条件の一つとしてはじめて「過去10大会の優勝回数」を採用し、シード数を6、条件を前年度ベスト4連盟代表と過去10年間の優勝回数が多い順で前述ベスト4連盟を除く上位2連盟の代表とした(「過去全ての優勝回数」はあったが近年一定年間を条件にしたのは初)。以降はこの方式が定着している。前年優勝・準優勝連盟の代表校は決勝まで対戦しない組み合わせとなり、その他のシード校の位置は抽選で決定される。これにより六大学・東都のみを対象とした組み合わせ調整は事実上撤廃されており、第64回大会から第66回大会までは3年連続で決勝までに対戦する組み合わせとなった。特に第64回大会ではともにシード校でありながら準々決勝で対戦している。 それでも六大学・東都は過去10大会の優勝回数では常に上位に入っており、両連盟代表のシードは事実上保証されていた。しかし第65回(2016年度)からは出場チーム数増に伴い2回戦からの登場となる学校が減ったためシード数も5となり、過去10大会の優勝回数によるシードは1連盟のみとなった。これにより両代表がともにベスト4を逃した場合少なくともどちらかがシードから漏れることとなり、同大会では両代表ともベスト8までに敗退したため第66回(2017年度)では過去10大会の優勝回数が少ない東都代表がシードから漏れた。なお東都代表は第60回大会(2011年度)を最後に優勝はおろかベスト4からも遠ざかっており、過去10大会の優勝回数によるシードの確保も困難な状況となっている。 5校目のシード要件を満たす連盟が複数ある場合の決定方法は公表されていない。第70回大会(2021年度)の結果、ベスト4を除く連盟の過去10大会の優勝回数は東都、首都、仙台六、東海の4連盟が1回で並んだが、翌2022年度の第71大会では東都代表がシードとなっている。
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