シュレーディンガー方程式の解
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「水素原子」の記事における「シュレーディンガー方程式の解」の解説
水素原子のシュレーディンガー方程式の解は、核子によるクーロンポテンシャルは等方的であるという事実を用いる。結果として得られた基底状態の固有関数(軌道)自体は等方的である必要はないものの、それらの角座標への依存はこのポテンシャルの等方性から得られるものである。ハミルトニアンの固有状態(即ちエネルギー固有状態)は、角運動量演算子の同時固有状態として選ぶことができる。これは、核子の周りでの電子の軌道運動において角運動量が保存されるという事実と合致する。従って、エネルギー固有状態は2つの角運動量量子数 l と m (どちらも整数)により分類することができる。角運動量量子数 l (= 0,1,2,...) は角運動量の大きさを決定し、磁気量子数 m (= -l, ..., +l) は任意に選んだz軸への角運動量の射影を決定する。 波動関数の全角運動量と角運動量射影の数学的な表現に加え、波動関数の放射方向依存の表現も見出す必要がある。これは 1/r クーロンポテンシャル(ラゲールの陪多項式)から導ける。ここから3つ目の量子数 n (= 1,2,3, ...) が得られる。水素のこの量子数は原子の全エネルギーと関連している。 角運動量の保存のため、l が同じで m が異なる状態は同じエネルギーを持つ。さらに水素原子の場合は、n が同じで l が異なる状態は縮退している(即ち同じエネルギーを持つ)。しかしこれは水素に特有の性質で、1/r とは異なるポテンシャルを持つ、より複雑な原子に対しては当てはまらない。 電子のスピン角運動量を考慮に入れると、2つの値を取りうる最後の量子数(z軸に沿った電子の角運動量の射影)が得られる。従って、水素中の電子のあらゆる固有状態は4つの量子数で完全に記述することができる。量子力学の規則によると、電子の実際の状態はこれらの状態の重ね合わせである。このことは、z軸の方向の取り方が任意であることも説明できる。
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シュレーディンガー方程式の解
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「クローニッヒ・ペニーのモデル」の記事における「シュレーディンガー方程式の解」の解説
ブロッホの定理を用いると、1周期での解だけを見つければ良いことになる。ポテンシャルの1周期の中には2つの領域があり、それぞれを独立に解く。 本来シュレーディンガー方程式はエネルギーについての固有値方程式であるが、ここでは一先ずエネルギー固有値Eは求めるものではないと見なす。するとシュレーディンガー方程式は微分方程式となる。そして微分方程式の解を固有値問題に代入してEを求め、解としての妥当性を検証する。 まずEが井戸の高さより高い(E>0)として、2つの領域の解を求める。 0 < x < a − b {\displaystyle 0 ※この「シュレーディンガー方程式の解」の解説は、「クローニッヒ・ペニーのモデル」の解説の一部です。
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