シュレーディンガー方程式の導出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/07 08:15 UTC 版)
「シュレーディンガー方程式」の記事における「シュレーディンガー方程式の導出」の解説
詳細は「粒子と波動の二重性」を参照 シュレーディンガー方程式は、その解が波のような動きを表現する関数であるので、数学的には波動方程式と言える。 普通、物理学での波動方程式は他の物理的法則から導かれる。例えば弦や物体の自然振動の波動方程式はニュートンの法則から求められ、そこでは波動関数は物質の変位を表す。電磁波はマクスウェルの方程式から導かれ、そこでは波動関数は電場と磁場を表す。 その一方で、シュレーディンガー方程式の基礎は粒子のエネルギーと、量子力学の仮定である。すなわち、波動関数は系の記述である。シュレーディンガー方程式はそれゆえ、ファインマンが言うように、それ自身の新しい概念である。 「 Where did we get that (equation) from? Nowhere. It is not possible to derive it from anything you know. It came out of the mind of Schrödinger.(この方程式はどこから導かれたのか? どこからでもない。これを、君が知っているどんなことから導くこともできない。これはシュレーディンガーの頭の中から出てきたのだ。) 」 —Richard Feynman この方程式は、古典的なエネルギー保存則に立脚する線型微分方程式という構造を持ち、ド・ブロイの関係と整合的である。その解は波動関数 Ψ であり、それは系について知りうる全ての情報を含んでいる。コペンハーゲン解釈では、Ψ の絶対値 |Ψ| は、粒子がある瞬間にある空間配置にいる確率に関係する。方程式を解いて波動関数 Ψ を得れば、具体的なポテンシャルの影響下で粒子が互いに影響し合いながらどのように振る舞うかが予測できる。 シュレーディンガー方程式は原理的には、波動方程式が粒子を記述し得るという、ド・ブロイの仮説を基に成り立ち、後述する方法で構成される。より厳密なシュレーディンガー方程式の数学的導出については例えば を参照。
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