シュレーディンガー方程式との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 06:36 UTC 版)
「ハミルトン–ヤコビ方程式」の記事における「シュレーディンガー方程式との関係」の解説
詳細は「アイコナール近似」および「en:Eikonal approximation」を参照 関数 S ( q ; t ) {\displaystyle S(\mathbf {q} ;t)} の、三次元空間上の等値面(英語版)は、すべての時間 t {\displaystyle t} について定められる。ある S {\displaystyle S} の等値面の、時間の関数としての運動は、等値面上のある点 q {\displaystyle \mathbf {q} } から始まる粒子の運動により定義される。そのような等値面の運動は q {\displaystyle \mathbf {q} } 空間を運動する波動と考えることができるが、その運動は完全に波動方程式に従うわけではない。これを示すため、 S {\displaystyle S} で波の位相を表すようにすると ψ = ψ 0 e i S / ℏ {\displaystyle \psi =\psi _{0}e^{iS/\hbar }} ここで ℏ {\displaystyle \hbar } は指数関数の引数を無次元化するために導入した定数である。波の振幅は S {\displaystyle S} を複素数にすることによって表現する。そうしてハミルトン–ヤコビ方程式を書き直すと ℏ 2 2 m ψ ( ∇ ψ ) 2 − U ψ = ℏ i ∂ ψ ∂ t {\displaystyle {\frac {\hbar ^{2}}{2m\psi }}\left({\boldsymbol {\nabla }}\psi \right)^{2}-U\psi ={\frac {\hbar }{i}}{\frac {\partial \psi }{\partial t}}} これはシュレーディンガー方程式の非線形な変種である。 逆に、シュレーディンガー方程式と ψ {\displaystyle \psi } に関する仮設からスタートすると以下のようになる。 1 2 m ( ∇ S ) 2 + U + ∂ S ∂ t = i ℏ 2 m ∇ 2 S {\displaystyle {\frac {1}{2m}}\left({\boldsymbol {\nabla }}S\right)^{2}+U+{\frac {\partial S}{\partial t}}={\frac {i\hbar }{2m}}\nabla ^{2}S} 上のシュレーディンガー方程式の古典極限 ( ℏ → 0 ) {\displaystyle (\hbar \rightarrow 0)} が、以下のようなハミルトン–ヤコビ方程式の変種と等しいことが分かった。 1 2 m ( ∇ S ) 2 + U + ∂ S ∂ t = 0 {\displaystyle {\frac {1}{2m}}\left({\boldsymbol {\nabla }}S\right)^{2}+U+{\frac {\partial S}{\partial t}}=0}
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