自由粒子
自由粒子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 15:09 UTC 版)
「グロス=ピタエフスキー方程式」の記事における「自由粒子」の解説
グロス=ピタエフスキー方程式から得られる解析解で最も単純なものは自由粒子解である。外場のない場合、 V ( r ) = 0 {\displaystyle V({\boldsymbol {r}})=0} グロス=ピタエフスキー方程式の解として以下のものが得られる。 Ψ ( r ) = N V e i k ⋅ r {\displaystyle \Psi (\mathbf {r} )={\sqrt {\frac {N}{V}}}e^{i{\boldsymbol {k}}\cdot {\boldsymbol {r}}}} この解はしばしばハートリー解(英: Hartree solution)と呼ばれる。ハートリー解はグロス=ピタエフスキー方程式を満足するが、相互作用項によりエネルギースペクトルにはギャップが残る。 E ( k ) = N [ ℏ 2 k 2 2 m + g N 2 V ] {\displaystyle E({\boldsymbol {k}})=N\left[{\frac {\hbar ^{2}k^{2}}{2m}}+g{\frac {N}{2V}}\right]} フーゲンホルツ=パインズ定理(英語版)より、斥力相互作用のあるボソン気体はエネルギーギャップを持たないため、ボソン気体に対しハートリー解をそのまま適用することはできない。
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自由粒子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 21:52 UTC 版)
「シュレーディンガー方程式」の記事における「自由粒子」の解説
何ら相互作用を受けていないような粒子を自由粒子という。自由粒子に対するハミルトニアンにはポテンシャル項がないため (V(x) = 0)、一次元系のシュレーディンガー方程式は以下のようになる。 E Ψ ( x ) = − ℏ 2 2 m d 2 d x 2 Ψ ( x ) . {\displaystyle E\Psi (x)=-{\frac {\hbar ^{2}}{2m}}{\frac {d^{2}}{dx^{2}}}\Psi (x)\,.} 自由粒子のエネルギー固有値 E は、ハミルトニアンが運動エネルギー演算子に対応するため、粒子が持つ運動エネルギーに対応する。エネルギー固有値の正負によってシュレーディンガー方程式の解の振る舞いは大きく異なる。 エネルギー固有値が正の場合 (E > 0)、自由粒子のシュレーディンガー方程式の解は振動解となる(C1, C2 は任意定数)。 ψ E ( x ) = C 1 e i 2 m E / ℏ 2 x + C 2 e − i 2 m E / ℏ 2 x . {\displaystyle \psi _{E}(x)=C_{1}e^{i{\sqrt {2mE/\hbar ^{2}}}\,x}+C_{2}e^{-i{\sqrt {2mE/\hbar ^{2}}}\,x}\,.} 一方、エネルギー固有値が負の場合 (E < 0)、自由粒子のシュレーディンガー方程式の解は指数解となる。 ψ − | E | ( x ) = C 1 e 2 m | E | / ℏ 2 x + C 2 e − 2 m | E | / ℏ 2 x . {\displaystyle \psi _{-|E|}(x)=C_{1}e^{{\sqrt {2m|E|/\hbar ^{2}}}\,x}+C_{2}e^{-{\sqrt {2m|E|/\hbar ^{2}}}\,x}\,.} 指数解は無限遠での発散などにより、物理的な要請を満たさないため、非物理的な解として扱われる。ただし、トンネル効果のように、部分的に波動関数が指数的な振る舞いをすることは許されている。 自由粒子のシュレーディンガー方程式は、例えば金属中の伝導電子の運動や、無限遠で平坦なポテンシャルを持つ系におけるポテンシャルの束縛を逃れた粒子の振る舞いを調べることなどに応用される。
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