極座標での自由粒子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/22 14:52 UTC 版)
「作用 (物理学)」の記事における「極座標での自由粒子」の解説
簡単な問題を例にとり、オイラー=ラグランジュ方程式を通じて作用原理を用いることの利点を示す。ユークリッド空間上の直線を自由粒子(質量 m, 速度 v とする)が運動をしているとする。この運動をオイラー=ラグランジュ方程式を用いて極座標の形式に書き直すことを考えよう。ポテンシャルがない場合、ラグラジアンは単純に運動エネルギーに等しく、直交座標 (x, y) では、 L = 1 2 m v 2 = 1 2 m ( x ˙ 2 + y ˙ 2 ) {\displaystyle L={\frac {1}{2}}mv^{2}={\frac {1}{2}}m\left({\dot {x}}^{2}+{\dot {y}}^{2}\right)} となる。ドットは曲線の媒介変数(通常は時刻 t に対応する)に関する微分を表す。 一方で極座標 (r, φ) によってラグランジアンを書き直せば L = 1 2 m ( r ˙ 2 + r 2 φ ˙ 2 ) {\displaystyle L={\frac {1}{2}}m\left({\dot {r}}^{2}+r^{2}{\dot {\varphi }}^{2}\right)} d d t ( ∂ L ∂ r ˙ ) − ∂ L ∂ r = 0 ⇒ r ¨ − r φ ˙ 2 = 0 d d t ( ∂ L ∂ φ ˙ ) − ∂ L ∂ φ = 0 ⇒ φ ¨ + 2 r r ˙ φ ˙ = 0 {\displaystyle {\begin{aligned}{\frac {\mathrm {d} }{\mathrm {d} t}}\left({\frac {\partial L}{\partial {\dot {r}}}}\right)-{\frac {\partial L}{\partial r}}&=0\qquad \Rightarrow \qquad {\ddot {r}}-r{\dot {\varphi }}^{2}&=0\\{\frac {\mathrm {d} }{\mathrm {d} t}}\left({\frac {\partial L}{\partial {\dot {\varphi }}}}\right)-{\frac {\partial L}{\partial \varphi }}&=0\qquad \Rightarrow \qquad {\ddot {\varphi }}+{\frac {2}{r}}{\dot {r}}{\dot {\varphi }}&=0\end{aligned}}} となる。 これらの 2つの方程式の解は、初期条件として決まる定数 a, b, c, d に対し、 r cos φ = a t + b r sin φ = c t + d {\displaystyle {\begin{aligned}r\cos \varphi &=at+b\\r\sin \varphi &=ct+d\end{aligned}}} により与えられる。この解は等速直線運動を表わしており、自由粒子が実際に等速直線運動することと整合する。
※この「極座標での自由粒子」の解説は、「作用 (物理学)」の解説の一部です。
「極座標での自由粒子」を含む「作用 (物理学)」の記事については、「作用 (物理学)」の概要を参照ください。
- 極座標での自由粒子のページへのリンク