極座標を用いてとは? わかりやすく解説

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極座標を用いて

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 07:37 UTC 版)

ガウス積分」の記事における「極座標を用いて」の解説

ガウス積分求め標準的な方法として、以下のアイデアポアソンまで遡れる: 平面 R2 上の函数 exp{−(x2 + y2)} = exp(−r2) を考え、これを2通り方法計算する一つ直交座標系に関する二重積分として計算し、その値は求める値の平方になることを確かめる。 いま一つ極座標系に関する二重積分いわゆるバウムクーヘン積分英語版))として計算し、その値が π となることを確かめる。 広義積分現れることに注意して、これら2つ計算比較して積分の値が求まる。即ち、面積要素 dAxy-直交座標系では dA = dxdy, rθ-極座標系では dA = rdr dθ で与えられることに注意すれば、 ∫ R 2 exp ⁡ ( − ( x 2 + y 2 ) ) d A = ∫ − ∞ ∞ ∫ − ∞ ∞ e − ( x 2 + y 2 ) d x d y = ( ∫ − ∞ ∞ exp ⁡ ( − t 2 ) d t ) 2 , {\displaystyle {\begin{aligned}\int _{\mathbb {R} ^{2}}\exp(-(x^{2}+y^{2}))\,dA=\int _{-\infty }^{\infty }\int _{-\infty }^{\infty }e^{-(x^{2}+y^{2})}\,dx\,dy=\left(\int _{-\infty }^{\infty }\exp(-t^{2})\,dt\right)^{2},\end{aligned}}} および ∫ R 2 exp ⁡ ( − ( x 2 + y 2 ) ) d A = ∫ 0 2 π ∫ 0 ∞ exp ⁡ ( − r 2 ) r d r d θ = 2 π ∫ 0 ∞ r exp ⁡ ( − r 2 ) d r = π ∫ − ∞ 0 e s d s = π {\displaystyle {\begin{aligned}\int _{\mathbb {R} ^{2}}\exp(-(x^{2}+y^{2}))\,dA&=\int _{0}^{2\pi }\int _{0}^{\infty }\exp(-r^{2})\,r\,dr\,d\theta \\&=2\pi \int _{0}^{\infty }r\exp(-r^{2})\,dr=\pi \int _{-\infty }^{0}e^{s}\,ds=\pi \end{aligned}}} と計算できる後者では s = −r2 なる置換行ってds = −2rdr となることを用いている。さてこれらの結果から ( ∫ − ∞ ∞ exp ⁡ ( − x 2 ) d x ) 2 = π {\displaystyle \left(\int _{-\infty }^{\infty }\exp(-x^{2})\,dx\right)^{2}=\pi } であり、符号考慮して ∫ − ∞ ∞ exp ⁡ ( − x 2 ) d x = π {\displaystyle \int _{-\infty }^{\infty }\exp(-x^{2})\,dx={\sqrt {\pi }}} を得る。 上記考察において、広義二重積分二つの式を等しいとおいたことに対す正当性再考しておこう。まずは近似函数 I ( a ) = ∫ − a a exp ⁡ ( − x 2 ) d x {\displaystyle I(a)=\int _{-a}^{a}\exp(-x^{2})\,dx} を考える。求めガウス積分絶対収斂ならば、それはコーシー主値、即ち lim a → ∞ I ( a ) {\displaystyle \lim _{a\to \infty }I(a)} なる極限によって求められることになる。これを見るには、 ∫ − ∞ ∞ | exp ⁡ ( − x 2 ) | d x < ∫ − ∞ − 1 − x exp ⁡ ( − x 2 ) d x + ∫ − 1 1 exp ⁡ ( − x 2 ) d x + ∫ 1 ∞ x exp ⁡ ( − x 2 ) d x < ∞ {\displaystyle \int _{-\infty }^{\infty }|\exp(-x^{2})|\,dx<\int _{-\infty }^{-1}-x\exp(-x^{2})\,dx+\int _{-1}^{1}\exp(-x^{2})\,dx+\int _{1}^{\infty }x\exp(-x^{2})\,dx<\infty } が成り立つという事実を確かめればよい。故に I(a)平方をとれば I ( a ) 2 = ∫ − a a ∫ − a a exp ⁡ ( − ( x 2 + y 2 ) ) d x d y {\displaystyle I(a)^{2}=\int _{-a}^{a}\int _{-a}^{a}\exp(-(x^{2}+y^{2}))\,dx\,dy} と書くことができて、フビニの定理により、これは xy-座標平面における面積分 ∫ exp ⁡ ( − ( x 2 + y 2 ) ) d A {\displaystyle \int \exp(-(x^{2}+y^{2}))\,dA} に等しいことが確かめられる。ただし、積分域は {(−a, a), (a, a), (a, −a), (−a, −a)} を頂点集合とする正方形である。 指数函数は全実数に対して正の値を取るから、上記積分域の内接円上で積分は I(a)2 よりも小さく同様に外接円上で積分は I(a)2 よりも大きい。これら二つ円板上で積分は、直交座標系から極座標系x = r cos ⁡ θ , y = r sin ⁡ θ , d x d y = r d r d θ {\displaystyle x=r\cos \theta ,\quad y=r\sin \theta ,\quad dx\,dy=rdr\,d\theta } なる標準的な変換でうつれば容易に計算できるから、積分実行して π ( 1 − e − a 2 ) < I ( a ) 2 < π ( 1 − e − 2 a 2 ) {\displaystyle \pi (1-e^{-a^{2}})<I(a)^{2}<\pi (1-e^{-2a^{2}})} なる評価を得ることができる。a → ∞ なる極限をとれば、挟み撃ち原理によって等式 ( ∫ − ∞ ∞ exp ⁡ ( − x 2 ) d x ) 2 = π {\displaystyle \left(\int _{-\infty }^{\infty }\exp(-x^{2})\,dx\right)^{2}=\pi } が正当化できる

※この「極座標を用いて」の解説は、「ガウス積分」の解説の一部です。
「極座標を用いて」を含む「ガウス積分」の記事については、「ガウス積分」の概要を参照ください。

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