シドニーオリンピックのドーピング疑惑とは? わかりやすく解説

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シドニーオリンピックのドーピング疑惑

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/27 03:02 UTC 版)

アンドレーア・ラドゥカン」の記事における「シドニーオリンピックのドーピング疑惑」の解説

検査でプソイドエフェドリンの陽性反応出たものの、ラドゥカンが故意ドーピング行っていた可能性はない。 プソイドエフェドリンには覚醒作用があり、興奮剤覚せい剤原料として使用されるため、IOC国際オリンピック委員会)の禁止薬物指定されている。パワー競技や、チーム競技戦意上の目的での使用前例はあるが、カフェイン同様、手の震えなどの原因となるため、数ミリ単位で技の精度競い合う女子体操競技使用されることはない。現に体操選手使用するメリットがないため、FIG国際体操連盟)の禁止薬物リストには記載されていない。また内服鼻づまりとして広く用いられてきた医薬品でもあり、日本売られている市販風邪薬の約7割にもその成分含まれている。ラドゥカンは競技当日に熱があったため、ルーマニアチーム帯同医師ボランティア)より処方され風邪薬服用していた。このにプソイドエフェドリンが含まれていたことは確認されており、明らかに医師の不注意被害者であるというのが、IOC結論でもある。 ラドゥカンは同オリンピック跳馬で銀、団体総合で金も獲得しており、これらの競技でのドーピング検査陰性であったこともドーピング疑惑否定するものであった。しかしIOCとしてもこのような前例認める訳にいかず、アンチ・ドーピングへの強固な姿勢を示すための、いわば「見せしめ」として金メダル剥奪した。この決定抗議したルーマニアチームはメダリストによるエキシビションへの参加ボイコットしたIOC公式記録では金メダル剥奪扱いだがルーマニア政府はラドゥカンの功績を讃え、金メダル獲得時に支払われる報奨金3ドル与えている。また金メダルルーマニア帰国後に、繰り上げになったチームメイトのアマナールからラドゥカンに返還されており、現在はラドゥカンの手元にある。ちなみに陽性反応出たのは個人総合競技後の検査ではなく3日後に行われた種目別跳馬競技後の検査である。代謝期間などを考慮して個人総合メダルのみが剥奪対象となったチームメイト数名も同じ服用した証言しているが、彼らのドーピング検査陰性であった当時ラドゥカンが身長148cm、37kgと非常に小柄だったため、一般人よりも薬物代謝遅れたことも陽性反応が出る一因になった。ラドゥカンは2004年朝日新聞インタビュー答え、「この事件トラウマとなり、飲めなくなった」と語っている。ラドゥカンは現在も正式な金メダリストとしての資格取り戻すための活動続けている。2007年2月にはYouTube に、ファン向けて感謝コメント母国語ルーマニア語流暢な 英語 で公開した

※この「シドニーオリンピックのドーピング疑惑」の解説は、「アンドレーア・ラドゥカン」の解説の一部です。
「シドニーオリンピックのドーピング疑惑」を含む「アンドレーア・ラドゥカン」の記事については、「アンドレーア・ラドゥカン」の概要を参照ください。

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