サジェストペディアの脳機能モデルと精神衛生
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「サジェストペディア」の記事における「サジェストペディアの脳機能モデルと精神衛生」の解説
サジェストペディアの教育に対する考え方を一言で言えば、「自由な精神活動と創造性の高揚が、きわめて効率的な学習と精神衛生を同時に達成する」である。このような考え方は、精神療法開発の副産物であったサジェストペディアが、人間の学習能力を「脳に本来的に備わった機能」であるとする立場に立つことに由来する。 ロザノフらは、精神療法開発の過程で「脳機能の不自然な使用によって引き起こされた脳活動不全の状態である『心身症』は、脳機能を本来あるべき姿で機能させれば快方に向かうはずだ」という仮説を立て、「脳機能の自然なはたらき」を追求した結果、脳を自然な状態で機能させることが、精神と体の状態の向上と同時に学習の高効率化をもたらすという結果を得た。この結果を踏まえて心身症回復に特化して開発をつづけたのが心理療法インテグラルサイコセラピーだが、同時に「学習の高効率化」に特化して開発されたサジェストペディアも、やはり脳機能の自然なはたらきを重視する。 以下にサジェストペディアの考える脳機能モデルを挙げる。 脳は本来的に学ぶことを欲しており、学ぶことに喜びをおぼえる。 脳が意識を機能させるためには、周辺意識に膨大な量の情報の備蓄(リザーブ・オブ・マインド)を必要とする。周辺意識の情報備蓄が足りないまま意識活動を要求されると、脳はフラストレーションを起こす。 脳の一部に与えられた情報は、即座に脳の他の部分に共有される。言い換えれば一部に与えた刺激をその一部のみにとどめておくことは不可能である。そのため脳は、たとえば理論と感情を切り離すことが苦手である。 脳は変化を好み、機械的な繰り返しを好まない。 脳細胞はある程度集合すると、それ自体人格を有する一個の脳として機能し始める。そのため人間の脳は本質的に多重人格的であって、健常者であっても色々な場面で様々な人格が表出する。 情報処理システムとしての脳は、ホログラフィー構造と階層構造をあわせ持つ。こうした構造では、処理される情報は、部分と全体が奔放に入れ替わりつつ常に深部の核と交信して統一を保とうとする。 このモデルにしたがって、脳の好む健康的な学習を追求すれば、必然的に「膨大な情報を高効率的に摂取し、取得した情報の活用を、普段と違う自分を楽しみながら、遊びを交えて、理論と感情、部分と全体の統一の取れたダイナミックバランスの中で行う」というサジェストペディア独特の教育スタイルに到達する。サジェストペディアではサジェストロジー研究で得られた知見をこのような「脳の好む学習環境」を維持促進するために応用する。 開発の初期段階には、サジェストペディアを精神療法として使用した実験も行われた。軽度の心身症患者を集めてサジェストペディアの語学コースを行ったこの実験では、コースが進むにつれ、参加者の不眠、いらいら、それにともなう人間関係の不和などが軽減または解消したという。
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