コンピューターで表示ガンマ補正を行う方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 18:41 UTC 版)
「ガンマ補正」の記事における「コンピューターで表示ガンマ補正を行う方法」の解説
一般的なガンマ2.2ないし1.8のコンピューター・ディスプレイで表示する画像を補正するためにガンマ符号化を行うには、最大4つの要素を操作することができる。 所与のの画像ファイル内のピクセルの強度値、すなわちバイナリーのピクセル値は線形符号化ではなく、ガンマ圧縮された値で光強度を表すように保存される。これは、再生中のガンマ復号ステップを最小化し、所与のストレージでの画質を最大化するために、DVD動画のようなディジタルビデオファイルで体系的に実施される。同様に、標準の画像ファイル形式のピクセル値は通常、sRGBのガンマ(あるいは同等の、従来からのモニターのガンマの典型的な近似値)や、ICCプロファイルなどのメタデータで指定されたガンマに従ってガンマ補正されている。もしも符号化のガンマが、再生システムのガンマと一致していない場合は、ディスプレイでの補正や、異なるプロファイルの修正された画像ファイルを生成するため補正が行われることもある。 描画ソフトウェアはガンマ符号化されたピクセルのバイナリー値を直接ビデオメモリー(15ビットハイカラー/24ビットトゥルーカラーモード使用時)ないしビデオカードのCLUTレジスター(インデックスカラーモード使用時)に書き込む。これらはディスプレイに比例した電圧を出力するデジタル-アナログ変換回路(DAC)を駆動する。例えば、24ビットRGBカラー(各チャンネル8ビット)使用時には、ビデオメモリーに128(8ビットの0-255の丸められた中点)を書き込むと、比例した約0.5の電圧がディスプレイに出力され、モニターの動作によって暗く表示される。その代わりに、約50%の光強度を得るために、ガンマ符号化されたルックアップテーブルを適用して、描画ソフトウェアによって128ではなく、187近辺の値を書き込むことができる。 最新のビデオカードには、モニターに電圧を出力するDACの前段に符号化された信号をディジタルで修正するために適切なガンマ補正ルックアップテーブルを1回ロードできる専用のキャリブレーションCLUTがある。これらのテーブルを正しく設定することを「ハードウェアキャリブレーション」と呼ぶ。 一部の最新のモニターでは、ユーザーが(単に別のブライトネス/コントラストのようなせってであるかのように)ガンマ動作を操作して、モニター自体で入力された信号を表示する前に補正することができる。これも「ハードウェアキャリブレーション」技術ではあるが、上記の場合のようにディジタル値を再マッピングするのではなく、アナログ信号に対して実施される。 正しくキャリブレーションされたシステムでは、各コンポーネントは、それぞれの入出力用に特定のガンマを有している。各段階ではさまざまな要件を修正するためにガンマを変更する場合があり、最終的に出力装置で線形の光強度の領域を得るために、必要に応じてガンマ復号ないし補正を行う。すべての符号化及び補正メソッドは、異なるコンポーネント間で相互にこの事実を知ることなしに任意に重ね合わせることができので、正しく実施されなかった場合にはこれらの変換が非常に歪んだ結果につながる可能性があるものの、規格や規則にしたがって正しく実施された場合にはシステムが正しく機能することになる。 例えば、カメラからJPEGファイルを介して表示するような典型的なシステムでは、ガンマ補正の役割にはいくつかの協調部分が含まれている。カメラは保存と送信のために、描画された画像を2.2などの標準的なガンマ値の一つを使てJPEGファイルに符号化する。表示するコンピューターはピクセル値をビデオメモリーに格納する前に、カラーマネージメントエンジンを使用して(以前のMacintoshの γ = 1.8 色空間などの)別の色空間に変換する場合がある。モニターは、ビデオシステムで使用されるガンマとCRTガンマを一致させるために独自のガンマ補正を行うう場合がある。標準インターフェイスを介して、各コンポーネントを標準のガンマ値で調整することで、このようなシステムを適切に構成することが可能になる。
※この「コンピューターで表示ガンマ補正を行う方法」の解説は、「ガンマ補正」の解説の一部です。
「コンピューターで表示ガンマ補正を行う方法」を含む「ガンマ補正」の記事については、「ガンマ補正」の概要を参照ください。
- コンピューターで表示ガンマ補正を行う方法のページへのリンク