コロンボの愛車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 15:53 UTC 版)
コロンボの私有車として、くたびれたフランス製小型乗用車の1959年式プジョー・403カブリオレ(米国輸出車)がしばしば登場し、彼のライフスタイルを物語る小道具となった。ピーター・フォークが自伝で語る起用の経緯によれば、シリーズのとあるエピソードの撮影に先立ち、自らがコロンボの自家用車のチョイスを任されたが、ガレージ一杯の劇用車のどれを見ても気に入らなかった中、ガレージの隅で色褪せているうえに1輪がパンクしているプジョー・403カブリオレに遭遇、直感的に選んだものであったという。 このモデルが生産されたのは1950年代後期で、テレビシリーズ放映開始時点でも10年以上経過した旧式モデルであった。塗装もところどころまだらになっており、プジョーはドラマの中でしばしば不調を起こし、あまりに散々な見てくれに登場人物たちからはスクラップ扱いされる体たらくであったが、コロンボはさして意に介する様子もなく、時には「ドッグ」と名付けた愛犬を助手席に載せ、自らの足として愛用し続けた。外観を見ただけでディーラーが下取りを拒否する、「盗られるはずがない」とレストランのドアボーイが店の駐車場に保管してくれない、自動車解体場の殺人現場に駆けつけた時には警戒中の警官から車を捨てに来たと勘違いされ、見た目の評価は散々なものとなっているが、コロンボは「フランス車だ」と自慢げに話しており、反対に妻の新車 に関しては「平凡な車」と評していた。 1989年から新シリーズが再開されたが、この時、以前のシリーズの撮影で使用していたプジョー・403はすでに売却されていた。ABCとフォークは、コロンボの愛車としてプジョー・403こそが最も相応しいと判断し、403カブリオレを3台購入して、撮影に使用した。旧シリーズの個体の幌が灰色だったのに対し、新シリーズの個体は幌の色が白になっている。また、新シリーズ以降は希少車になっており、作中でも売買を持ちかけられるが、コロンボは「売る気は無い」と断りを入れている。
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