ミセス・コロンボとは? わかりやすく解説

ミセス・コロンボ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/25 01:31 UTC 版)

ミセス・コロンボ』(英名:Mrs.Columbo)は1979年2月から年末まで米国NBCで放映されたミステリードラマ視聴率不振のため第2シーズンは『ミス・ケイトの冒険』(英名:Kate Loves a Mystery)のタイトルで放映された。日本では1980年1月2日NHKパイロット版「殺し屋の声が聞こえる」を放映、以後不定期に2シーズンが放送された。

概要

1978年5月に『刑事コロンボ』が終了となり、コロンボに代わる目玉作品を探していた当時のNBC社長フレッド・シルバーマンは、『コロンボ』の本編では一度も姿を見せなかった「ウチのカミさん」を主人公にしたドラマを思いつき、コロンボの制作スタッフだったリチャード・レビンソンとウィリアム・リンク、ピーター・S・フィッシャーの反対を押し切り、『ミセス・コロンボ』の制作に踏み切った。

当初、番組のプロジェクトにはレビンソン&リンク、フィッシャーが関わっており、3人は主人公の「ミセス・コロンボ」役にモーリン・ステイプルトンを推薦したが[1]、若い女優を希望していたシルバーマンは聞き入れず、最終的に当時23歳だったケイト・マルグルーを起用したため、3人はプロジェクトから撤退した[2]。それでもシルバーマンは『コロンボ』最終シーズンのプロデューサーだったリチャード・アラン・シモンズを製作総指揮に据え制作を強行。こうして完成した作品は、オープニングや本編でコロンボの愛車プジョーや愛犬ドッグが姿を見せ、また初期のゲストにロバート・カルプボブ・ディシードナルド・プレザンスが登場するなど、コロンボファンを意識した内容となっていた。

しかしコロンボファンの支持は得られず、さらに制作会社のユニバーサルから「ミセス・コロンボとコロンボ夫人は同一人物ではない」と否定され、同番組は路線変更を余儀なくされる。第2シーズンに入ると、主人公のケイトは刑事の夫コロンボと離婚し姓が「キャラハン」と変わり、娘のジェニー(演じるのは現在ヴァイオリニストとして活躍するリリ・ヘイデン)と2人暮らしになるが、唯一の「売り」であったコロンボの名前を失い、単なるミステリードラマとなった同番組は年を越すことなく第2シーズン途中で打ち切られた。

キャスト

放映リスト

Season 1: 1979

放送回 初回放送日 タイトル ゲスト(声優) 監督 脚本
アメリカ 日本
1 1979年2月26日 1980年1月2日 殺し屋の声が聞こえる
Word Games
ロバート・カルプ梅野泰靖
フレデリック・フォレスト日高晤郎
エディ・アダムス高橋和枝
ボブ・ディシー野本礼三
ルネ・オーベルジョノワ
プリシラ・ポインター
ボリス・セイガル リチャード・アラン・シモンズ
2 1979年3月1日 1980年4月1日 殺しの日は雨
Murder Is a Parlor Game
ドナルド・プレザンス中村俊一
エリザベス・コール(堀越節子
ドルフ・スウィート(塩見竜介
イアン・アバークロンビー
ドン・メドフォード シェルドン・ウィレンズ
アル・レイノルズ
ハワード・バーク
3 1979年3月15日 1980年4月29日 こわい目の人形
A Riddle for Puppets
ジェイ・ジョンソン(野島昭生
マイケル・デュレル(細井重之)
エドワード・M・エイブラムス グレゴリー・S・ディナロ
4 1979年3月22日 1980年3月31日 ごちそうはキャビア
Caviar with Everything
クローデット・ネヴィンズ(新橋耐子
トリシャ・ノーブル(倉野章子
サム・グルーム(長谷川哲夫
ドン・メドフォード アル・レイノルズ
ハワード・バーク
5 1979年3月29日 1980年4月30日 占いは死の予告
A Puzzle for Prophets
フランシーヌ・タッカー(野際陽子
シンディ・グローバー(宗形智子
サム・ワナメイカー アル・レイノルズ

Season 2: 1979–80

放送回 初回放送日 タイトル ゲスト(声優) 監督 脚本
アメリカ 日本
1 1979年10月18日 1981年7月30日 昼下がりのレディたち
Ladies of the Afternoon
ディー・ウォレス二宮さよ子
ジョン・アプリア
ドン・メドフォード ローレンス・ハーツォグ
2 1979年10月25日 1983年2月13日 爆発の赤信号
It Goes with the Territory
ロビン・クラーク(富山敬
ビビ・ベッシュ谷育子
ピーター・ドゥナット小林清志
ユキ・シモダ
レオ・ペン マーウィン・ジェラード
3 1979年11月1日 1981年7月27日 情報はオフレコで
Off the Record
リン・カーリン(赤座美代子
マイケル・デュレル
レイザー・バディイー サイモン・マントナー
4 1979年11月8日 1981年7月28日 星空のレクイエム
The Valley Strangler
アンドリュー・ロビンソン佐々木功
ヴァン・ウィリアムズ
シグマンド・ニューフェルドJr. ローレンス・ハーツォグ
5 1979年11月22日 1982年7月29日 凍った50万ドル
A Chilling Surprise
アーマンド・アサンテ秋元羊介
ジェス・ウォルトン(田島令子
フィリップ・リーコック E・アーサー・キーン
6 1979年11月29日 1983年2月27日 過去を知る女
Falling Star
シャロン・ファレル(山口奈々
ロリー・ゴールドマン(加藤正之
ピーター・ホップス(真木恭介
デヴィッド・ラッシュ
サム・ワナメイカー ロバート・マッキー
ボブ・ミシオロウスキー
7 1979年12月6日 1982年11月27日 心理学にご用心
Feelings Can Be Murder
ルネ・オーベルジョノワ(阪脩
ルディ・ソラーリ
セイモア・ロビー メアリー・アン・カシカ
マイケル・シェフ
8 1980年3月19日 1983年3月6日 ビデオテープでもう一度
Love, on Instant Replay
ジョン・レーン(田口計
ジットー・カザン(津嘉山正種
ジェニー・オハラ
アラン・スミシー ジョー・ゴアズ

未映像化作品

  • 殺人ネットワーク The Lady's Set For Death [3]

スタッフ

  • 製作総指揮:リチャード・アラン・シモンズ(第1シーズン)、ビル・ドリスキル(第2シーズン)
  • 監修:ジェームズ・マクアダムズ
  • 音楽:ジョン・カカヴァス
  • 制作会社:ガンビット・プロダクション(第1シーズン)、ビル・ドリスキル・プロダクション(第2シーズン)、ユニバーサルTV

脚注

  1. ^ 「刑事コロンボの秘密」風雅書房
  2. ^ 「ハヤカワミステリマガジン」2011年11月号、早川書房
  3. ^ 脚本ノヴェライズの翻訳が『ミセス・コロンボ1 殺人ネットワーク』(1979年、二見書房 サラ・ブックス)として出版された。

ミセス・コロンボ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 05:07 UTC 版)

刑事コロンボ」の記事における「ミセス・コロンボ」の解説

詳細は「ミセス・コロンボ」を参照 『刑事コロンボ』旧シリーズ終了後NBCによって『刑事コロンボ』意識した作品『ミセス・コロンボ』(Mrs. Columbo のち数回にわたり改題1979年 - 1980年放送)が制作された。ときおり挿入されるミセス・コロンボの家のカットでは、ミセス・コロンボの乗る車に加えてぼろぼろプジョー403写っている。しかし、『ミセス・コロンボ』は『刑事コロンボ』スタッフ反対押し切って制作されたもので、ファン支持得られず、制作側(ユニバーサル)もミセス・コロンボがコロンボ夫人同一人物であることを否定したこのため『ミセス・コロンボ』も路線変更余儀なくされ、結局打ち切りとなった

※この「ミセス・コロンボ」の解説は、「刑事コロンボ」の解説の一部です。
「ミセス・コロンボ」を含む「刑事コロンボ」の記事については、「刑事コロンボ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ミセス・コロンボ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ミセス・コロンボ」の関連用語

ミセス・コロンボのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ミセス・コロンボのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのミセス・コロンボ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの刑事コロンボ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS