グラム陰性菌とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > その他の生物 > 真正細菌 > グラム陰性菌の意味・解説 

グラム陰性菌 [Gram-negative bacteria]

 グラム染色赤色ないし赤桃色(陰性)に染まる細菌を指す。グラム陰性菌とグラム陽性菌との違いはそれらの細胞壁構成成分違いよる。細菌の細胞壁細胞質膜外側にある分厚く堅い層で、細菌特有の形を保持している。グラム陰性菌の細胞壁構成多糖ムラミン酸というグリカン鎖とアミノ酸結合したペプチド鎖とが連結した比較的薄い格子状ペプチドグリカン層があり、その外側タンパク質リン脂質リポ多糖から成る複雑な外膜よばれる層が重なっている。グラム陰性菌はこの外膜存在するので、グラム染色使われる塩基性色素(クリスタル・バイオレットなど)や媒染剤浸透せず、エタノール(エチルアルコール)で脱色され別の色素(サフラニン)がこの外膜親和性があるので、グラム陽性菌(青藍色ないし青紫色)とは違った赤色ないし赤桃色に染色されるのである
グラム陰性菌としては腸内細菌科細菌(大腸菌赤痢菌サルモネラペスト菌肺炎クレブシエラ、エドワードジエラ、プロテウスなど)のほかに、コレラ菌などのビブリオ属エロモナス属緑膿菌百日咳菌レジオネラピロリ菌、さらに淋菌髄膜炎菌などのナイセリア属リケッチアクラミジアなど多く病原細菌があり、酢酸菌などの発酵細菌海洋細菌(海水中)の多くもグラム陰性菌である。
とくにグラム陰性菌の細胞壁含まれるリポ多糖菌体内毒素として種々の免疫・薬理活性(発熱作用血管血液凝固作用血圧降下作用など)をもっているので、グラム陰性菌感染症化学療法剤投与によって、細菌死滅したあとその菌体破壊され細胞壁リポ多糖(内毒素)が放出されると、治療困難なエンドトキシン・ショック(内毒素ショック)をおこすことがある




グラム陰性菌と同じ種類の言葉


固有名詞の分類

このページでは「微生物の用語解説」からグラム陰性菌を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からグラム陰性菌を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からグラム陰性菌 を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「グラム陰性菌」の関連用語

グラム陰性菌のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



グラム陰性菌のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
微生物管理機構微生物管理機構
Microbes Control Organization Ver 1.0 (C)1999-2024 Fumiaki Taguchi

©2024 GRAS Group, Inc.RSS