グラム陽性菌の細胞壁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/27 00:52 UTC 版)
「細菌の細胞構造」の記事における「グラム陽性菌の細胞壁」の解説
グラム陽性菌の細胞壁は厚く、ペプチドグリカンの層が細胞壁のほぼ95%にも達するものもあり、グラム陰性菌で5-10%であるのと対照的である。そのため、グラム陽性菌の細胞壁は、リゾチームでほぼ完全に溶解するものもある。ただし、黄色ブドウ球菌のように細胞壁がリゾチーム耐性を持つものもある。ムラミン酸残基のいくつかは6番炭素上にO-アセチル基を持つ。グラム陽性菌の細胞壁のマトリックス物質は、多糖かタイコ酸である。後者は非常に広く分布するが、グラム陽性菌からしか見つかっていない。リビトールタイコ酸とグリセロールタイコ酸の主に2種類があり、後者はより広く分布している。これらの酸はそれぞれリビトールリン酸、グリセロールリン酸のポリマーであり、多くのグラム陽性菌の表面にのみ存在する。しかし、タイコ酸の正確な機能はまだ完全には分かっていない。グラム陽性菌の細胞壁の主要な構成成分はリポタイコ酸である。その目的の1つは、抗原性の付与である。膜には脂質成分が見られ、その接着性により膜に結合している。
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