クェーサー
「クェーサー」の語源は準恒星状天体の意味
1960年、天文学者のマシューズとサンテージは、3C48という電波源が星のように点状であるのに、極めて大きく赤方偏移したスペクトルを示すことに気づき、このような天体を準恒星状天体という意味の名の頭文字を取ってQSO、略してクェーサーと名づけました。クェーサーは、きわめて遠方にあって膨大なエネルギーを放出する、活動の激しい銀河と考えられています。これまでに4,000個あまりのクェーサーが見つかっていますが、現在、赤方偏移のもっとも大きなクェーサーは、りょうけん座のPC1247+3406で、実に光速の94.4%もの速度で遠ざかっています。
クェーサーのエネルギー源は通常の銀河の100倍
クェーサーの多くは数か月から数年で光や電波のスペクトルが変化し、太陽系よりやや大きいくらいに過ぎません。けれども、クェーサーから放たれるエネルギーは通常の銀河の100倍もあり、巨大なブラックホールがエネルギー源だと考えられています。
クェーサーの正体は活動の激しい銀河
クェーサーのその他の特徴としては、普通の銀河の数の1/100万個程度しか存在しないこと、また、X線や赤外線の放出があることなどがあります。クェーサーの正体は、銀河の進化の途中に、中心部分がなんらかの理由で活発になったものと考えられています。最近では、CCD(固体撮像素子)を使った観測で、65億光年の距離にほぼ一列に連なる13個のクェーサーが発見されています。
銀河形成プロセスの解明に大きく貢献
また、京都大学のクェーサー観測グループが、1994年から1995年にかけて野辺山宇宙電波観測所でおとめ座のクェーサーBR1202−0725の観測を行い、多量の一酸化炭素分子の存在を発見、96年7月に発表しています。これは、これまでに分子が検出された天体としてはもっとも遠いだけでなく、一酸化炭素の量は太陽質量の1,000億倍と膨大なもの。宇宙初期に形成されたクェーサーに一酸化炭素が多く存在することは、星の誕生、そして死がすでに繰り返されていることを示しており、銀河形成プロセスの解明に貢献するものと考えられています。
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