カチウン王家の展開とは? わかりやすく解説

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カチウン王家の展開

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 20:14 UTC 版)

カチウン」の記事における「カチウン王家の展開」の解説

おそらく早世したためか、彼の活躍については資料上に殆ど知られておらず、モンゴル帝国成立後一族行われた分封ウルス)を実際に受けたのは子のアルチダイ(阿勒赤歹、済南王按只吉歹)であった。『集史』「イェスゲイ・バハードゥル紀」によると、1207年から1211年頃にかけてチンギス・カンは母ホエルンをはじめ諸子、諸弟などの親族たちにも所領ウルス)の分封が行っているが、その際に、アルチダイにはナイマン、ウリヤンカト、タタル部諸部族からなる三つ千人隊分与された。この内、ウリヤンカトの千人隊長はチャウルカイで、『元朝秘史』では「王傅」としてカチウン家派遣されたと記されている。 杉山正明研究などによると、いわゆる東方三王家チンギス・ハーンの弟のジョチ・カサルカチウンテムゲ・オッチギン家系)の諸ウルスチンギス大興安嶺西麓各々設置されたが、そのうち北端にはアルグン川流域周辺ジョチ・カサル家が、中部ハルハ川流域周辺テムゲ・オッチギン家が、そして、南端のブユル・ノール南方ウルゲン川旧名:ウルクイ河)・カラカルジト流域カチウン家ウルス設置されたと考えられる子孫東方三王家チンギス・カンの弟のジョチ・カサルカチウンテムゲ・オッチギン家系)の一角をなし、クビライ元朝成立にも貢献したアルチダイオゴデイモンケクビライ時代活躍したが、クビライ即位際しカチウン家は他の東方三王家とともにこの即位尽力している。 『集史』「イェスゲイ・バハードゥル紀」によると、アルチダイ次に当主位を継いだのはイルチダイの子チャクラ(察忽剌大王であったという。第三当主その子のクラクル(忽列虎児王、ウクラクル。『元史宗室世系表ではアルチダイ息子のひとりとする)であったが、1260年の上開平府クリルタイでは、東方三王家盟主であるテムゲ・オッチギン家の当主タガチャルジョチ・カサル家のイェスンゲとともにアルチダイの子カダアン(哈丹大王)という王族出席しており、クビライ元朝成立にも貢献した。翌1261年アリクブケ軍と開平府に近いシムトゥ・ノールでの会戦ではカチウン家当主クラクルはナリン・カダアンをともないクビライ左翼軍でテムゲ・オッチギン家のタガチャルベルグテイ家当主ジャウドゥらと奮戦している。 しかし、1287年テムゲ・オッチギン家の当主ナヤンクビライ叛乱起こした際、カチウン家も他の東方三王家コルゲン家王族たちとともに挙兵した(ナヤンの乱)。この時のカチウン家当主は、ナリン・カダアンの孫で隴王クラチュ(忽剌出)の子シンナカル済南王勝納哈児)であったが、ナヤンクビライ親征軍に敗北して誅殺された。これに伴いクビライ東方三王家当主たちを全て挿げ替えカチウン家シンナカル家督廃されチャクラ息子らしいエジル済南王也只里)が擁立された。ところが、この処置に不満をもったナリン・カダアンは、子のラオデイを伴いナヤン敗死した後もなお現在の中国東北部全域転戦して抵抗続けた。しかし、各地敗走重ね皇孫テムル率い討伐軍に敗北して1290年入って高麗王国へも侵入し抵抗続けたものの、1291年鴨緑江での敗北によってラオデイは逃走1292年にナリン・カダアンも敗死した。ナリン・カダアン、ラオデイの反抗があったものの、クビライ政権側はナヤン死後の当主改廃後に西方カイドゥ対策として東方三王家との和解事態の収拾、関係の改善進めており、従来ウルス安堵されたと考えられている。 1302年12月10日に、クビライ継いだ成宗皇帝テムルカラコルム催したカイドゥ勝利した後の祝宴ジョチ・カサル家の当主バブシャ(八不沙)らとともにカチウン家当主エジル列席している。 明朝成立経て北元時代に入ると、カチウン後裔支配する勢力チャガン・トゥメン呼称され、明朝からは卜剌罕衛と呼称された。15世紀半ばエセン・ハーン死後の混乱の中でカチウンの子孫であるドーラン・タイジはドローン・トゥメト(Doloγan Tümed、7トゥメトの意)を率いて活躍しその死後もドローン・トゥメトは発展してダヤン・ハーンの6トゥメン」の一つとして知られる至ったカチウンの子孫の一派明末まで存続しオンリュート部として知られた。オンリュート部は清朝の支配下に入ってオンニュド旗組織されオンニュド旗清朝中華民国満州国経て中華人民共和国赤峰市オンニュド旗として存続している。

※この「カチウン王家の展開」の解説は、「カチウン」の解説の一部です。
「カチウン王家の展開」を含む「カチウン」の記事については、「カチウン」の概要を参照ください。

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