MDMA
「MDMA」とは、科学的に合成して製造される麻薬の1種のことを意味する表現である。
「MDMA」とは・「MDMA」の意味
「MDMA」とは、「メチレンジオキシメタンフェタミン(methylenedioxymethamphetamine)」の略名である。科学的に合成して作られた合成麻薬で、市場に出回っているMDMAは「エクスタシー」と呼ばれ、麻薬及び向精神薬取締法の規制の対象となっている。エクスタシーの中には、全くMDMAが含まれていないものや、売人ですら何が含まれているのか分からないものも多く、危険度は非常に高い。使用すると脳内のセロトニンやドーパミンなどの物質が放出され、一時的に陶酔感や幸福感が得られる。見た目は、赤色や、黄色、青色など様々な色があり、ラムネの様な丸い形をしていることが多い。また、薬の上部に王冠や蝶などのマークが刻印されていて、若者が抵抗感なく手にしやすいデザインとなっている。さらに、植物から合成される麻薬に比べて安価で製造できるため、10代から20代の若者でも手に入れやすい。
MDMAの効果は、摂取してから3~6時間続き、陶酔感や幸福感が得られる。その一方で、幻覚作用もある。また、乱用を続けると、高熱や高血圧、強烈な不安、不整脈、心臓発作、脳卒中、痙攣などを引き起こすことが分かっている。さらに、アルコールと一緒に摂取することで有害な健康被害を引き起こし、命の危険性も高まる。
MDMAの用途の一つで、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療薬が考えられている。アメリカではMDMAによるPTSD治療の研究が長年されていて、その結果、PTSDの治療にMDMAは効果があると示している。PTSDとは、死の危険にさらされたときなど、その体験がトラウマとなり、フラッシュバックのように思い出されたり、悪夢を見たりするようになることで、不安や緊張の高まりが起こる病気である。PTSDは珍しい病気ではなく、誰もが患う可能性のある病気で、多くの人は不安や、不眠、動悸などの症状があらわれる。
MDMAの治療薬の実用化に向けアメリカで行われた研究で、実際にPTSDに苦しんできた被験者を対象に実験を行ったところ、約3分の2の被験者がPTSDに苦しまなくなったという結果が得られた。その一方で、MDMAを治療薬として使用するデメリットとして、他の薬物同様に依存性や副作用の大きさが挙げられ、治療薬としてデメリットを上回る有効性があるのか懸念されている。
MDMAと似たような症状があらわれる合成薬物にmdaがある。mdaはMDMAと同様、メチレンジオキシメタンフェタミンの略名である。通称はラブドラッグで、覚醒剤と似た化学構造をしている。mdaの多くは白色粉末だが、その純度によって黄色や茶色のもの、まれに琥珀色の液体も存在する。mdaは、精神的依存性が強く、心身ともに障害を引き起こす可能性が高い。特に、脳への影響が大きく、使用すると死亡するケースもある危険な薬物である。
lsdは、ライ麦の麦角菌から作られる合成薬物である。色や、におい、味がなく、少ない量で効果があらわれる。そのため、乱用薬物の中でも最も強力な幻覚剤の一つとされていて、一滴でも体内に入り込めば幻覚症状があらわれる。主にアメリカの密造工場で製造され、結晶の状態で作られるが、販売する時には、液体や錠剤、紙片、角砂糖、ゼラチンなど様々な姿に形を変える。アシッドやマイクロドット、ウインドウ・ペーンなどと呼ばれ、売られている。
lsdは摂取すると、30分から90分で症状があらわれ始め、躁鬱の状態を繰り返し、天井や壁のシミが人に見えたり、周りの物が揺れているように見えたりする。また、lsdを摂取したことがある人の多くは、かなりの時間が経った後に、幻覚症状のフラッシュバックを経験する。そのため、lsdの使用者は、長い間精神的に異常をきたしたり、深刻なうつ状態になったりすることがある。
エム‐ディー‐エム‐エー【MDMA】
読み方:えむでぃーえむえー
《methylenedioxymethamphetamine》⇒メチレンジオキシメタンフェタミン
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