エドワード・ブルワー=リットン (初代リットン男爵)とは? わかりやすく解説

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エドワード・ブルワー=リットン

(エドワード・ブルワー=リットン (初代リットン男爵) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/02 12:26 UTC 版)

初代リットン男爵エドワード・ジョージ・アール・リットン・ブルワー=リットン: Edward George Earle Lytton Bulwer-Lytton, 1st Baron Lytton, PC1803年5月25日 - 1873年1月18日)は、イギリスの小説家、劇作家、政治家、貴族。一時はチャールズ・ディケンズに匹敵する程の人気を誇った。小説『ポンペイ最後の日』(The Last Days of Pompeii )が代表作として知られており、オカルト小説『ザノーニ』やSFユートピア小説『来たるべき種族』で近代オカルティズムに多大な影響を与え、ヒッピーニューエイジにも影響が見られる[2]。戯曲『リシュリュー』(Richelieu; Or the Conspiracy)に登場する文句「ペンは剣よりも強し」(“The pen is mightier than the sword”)」は名高い。政治家としては1858年から1859年にかけて保守党政権の植民地大臣を務めたことが特筆される。


注釈

  1. ^ 水晶占いは19世紀イギリスでメジャーな占いの一つで、当時最も有名な水晶玉は、ブレッシントン伯爵夫人がエジプトの魔術師から手に入れたというものだった[11]
  2. ^ ロジーナはアイルランドで地主の父とフェミニスト哲学者の母の間に生まれたが、両親の不和、父親のアルコール依存症、母親が自分の知的探求に注力し子どもに無関心だった事などから、子ども時代は不幸なものであったようである。両親の別居後、大叔父の元で教育を受け、その後ロンドンの叔父の元で暮らし、友人のキャロライン・ラムやリットンがいたボヘミアン文学通の集まりに出入りするようになった。[14]
  3. ^ 錬金術では16 - 18世紀にかけて鉛を金に変えることが試みられていたが、19世紀にはこれが不可能であることが知られ、学問としての錬金術はより霊的・精神的な傾向を帯びるようになった。錬金術の研究者たちは、人類・魂・宇宙の関係を研究するようになり、外界や社会の影響から魂を遠ざけ、神が創造した原初の状態にまで魂を高めようと探求した。この錬金術の一派はヘルメス主義として知られており、アトウッドと彼女の父親が興味を持っていた錬金術とはこれである。アウトウッドは長年の研究をまとめ、1850年に『A Suggestive Inquiry into the Hermetic Mystery』として出版した。錬金術という学問分野を包括的に洞察した最初の作品で、現代に流行した錬金術の霊的・精神的な解釈を体系的に説いた最初の著作のひとつであり、19世紀の錬金術とヘルメス主義の流れにおいて重要な著作である。黄金の夜明け団のアーサー・エドワード・ウェイト等から高く評価された。父親は出版後に内容を確認し、隠されるべき秘密を寓意的な文章の中にわかるように書いてしまっていると考え、世に出た書籍の大部分を回収した。アウトウッドは錬金術協会を脱退し結婚して静かに暮らし、生前本書の再版を打診されたようだが、許可しなかった。彼女の死後、友人で神智学協会・黄金の夜明け団のメンバーだったイザベル・ド・スタイガー英語版が1918年に再販した。[16][17]

出典

  1. ^ UK Parliament. “Lord Brudenell” (英語). HANSARD 1803–2005. 2019年5月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z Jules Evans (2021年12月31日). “7. Edward Bulwer-Lytton and the Coming Race(エドワード・ブルワー=リットンと来るべき種族)”. medium. 2024年5月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e Lundy, Darryl. “Edward George Bulwer-Lytton, 1st Baron Lytton of Knebworth” (英語). thepeerage.com. 2019年5月28日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s  この記事はパブリックドメインの辞典本文を含む: Stephen, Leslie (1893). "Lytton, Edward George Earle Lytton Bulwer-". In Lee, Sidney (ed.). Dictionary of National Biography (英語). Vol. 34. London: Smith, Elder & Co. pp. 380–387.
  5. ^ a b c d e f 河村 2005, p. 88.
  6. ^ a b c d e f g h i j Philip V. Allingham. “Sir Edward G. D. Bulwer-Lytton: A Brief Biography”. The Victorian Web. 2024年6月2日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l 河村 2005, pp. 88–89.
  8. ^ a b c ブレイク 1993, p. 63.
  9. ^ a b c 河村 2005, pp. 89–90.
  10. ^ a b c 河村 2005, pp. 90–91.
  11. ^ Mimi Matthews (2016年1月11日). “19th Century Fortune-Telling: From the Drawing Room to the Court Room”. The Victorian Web. 2024年6月2日閲覧。
  12. ^ a b c d Roukema 2020, p. 34.
  13. ^ a b c d e 河村 2005, p. 91.
  14. ^ a b c Frances Clarke. “Lytton, Rosina Anne Doyle Bulwer”. DICTIONARY OF IRISH BIOGRAPHY. 2024年6月2日閲覧。
  15. ^ a b Breaking open the mausoleum to solve a Victorian mystery – Henry Lytton Cobbold of Knebworth House charts life and death of tragic Emily Bulwer-Lytton in new book”. The Comet (2017年3月26日). 2024年6月2日閲覧。
  16. ^ Joanna Baines (2020年2月11日). “Women and Girls in Science: Mary Anne Atwood, alchemical thinker and spiritualist”. Chasing Down Emma. 2024年6月2日閲覧。
  17. ^ A Suggestive Inquiry Into Hermetic Mystery by Mary Anne Atwood”. The Rose Books & Obscurities. 2024年6月2日閲覧。
  18. ^ Roukema 2020, p. 45-46.
  19. ^ Marc Demarest (2009年3月25日). “A Trout In The Milk: Plotting The Orphic Circle”. Chasing Down Emma. 2024年6月1日閲覧。
  20. ^ 平凡社『世界大百科事典』【イギリス文学】の項目
  21. ^ 杉原四郎編 1995, pp. 107–108.
  22. ^ 清末政治小説の術語、概念の形成と明治政治小説との関わり寇振鋒、 (名古屋大学, 2007-11-15) 掲載雑誌名:言語文化論集. 29(1)
  23. ^ a b c d e f g h i j k Drabble, Margaret (2000). The Oxford Companion to English Literature (sixth edition), pp. 147. Oxford, New York: Oxford University Press. ISBN 0-19-866244-0 
  24. ^ Lytton, Edward Bulwer Lytton (2001年1月1日). “The Lady of Lyons; Or, Love and Pride”. 2014年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年10月2日閲覧。
  25. ^ 竹内・和田 2007.


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