アデレード会議襲撃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:37 UTC 版)
「マフティー・ナビーユ・エリン」の記事における「アデレード会議襲撃」の解説
マフティー・ナビーユ・エリンはオーストラリアのアデレードで行われた地球連邦政府の中央会議を襲撃。これがマフティーにとって事実上最後の活動となった。 マフティーは「アデレード会議が『地球帰還に関する特例法案』を廃案にしなければ閣僚を粛清する」と宣言し、アデレードへの襲撃を予告。マフティーがアデレード会議にこだわった理由は、この特例法案にあった。これが可決されると、地球連邦政府が認可した者以外はまったく地球上に居住できなくなるからである。誰に地球の居住権を与えるかを連邦政府が決めるというのはもともとあった考え方だが、この法案が成立するとマンハンター的行為が合法とされ、自然発生的に増えて行った人々も含め、不法な地球滞在者と連邦政府に認定された人々を簡単に排除できるようになる。さらに問題だったのは、地球連邦政府機構の直轄下にある者は自由に地球に居住できることで、それが官僚独裁の傾向に拍車をかけるのは目に見えていた。 しかし、襲撃は失敗に終わる。アデレードの守備を担当した地球連邦軍のキルケー・ユニットを指揮したケネス・スレッグ大佐の仕掛けた罠にはまってΞガンダムは撃墜され、マフティーことハサウェイ・ノアは重傷を負いながらも生きたまま捕われてしまった。法案自体も、マフティー襲撃の直前にすでに可決されてしまっていた。 ガンダムの撃墜を期にマフティー・ナビーユ・エリンの活動は終息。マフティーに加担した者たちは驚くほど鮮やかに撤退して地下に潜伏してしまい、その後、アデレード周辺では不穏分子の動きはまったく無くなってしまった。その捜索は難航が予想され、連邦政府に不安の種を残した。 また生き残った政府閣僚たちは亡くなった者の後任を選定したり委任状を取り集めたりして中央会議を成立させ、マフティー以後の不穏分子掃討作戦について軍と協議を始めた。そして、軍事裁判も行わずにマフティー・ナビーユ・エリンの処刑を行うことも決まった。それは一種の見せしめだった。 ケネス・スレッグは、自分の後任の司令官としてやって来たハサウェイの実父であるブライト・ノア大佐にマフティーの正体を知られないよう、上官のメジナウム・グッゲンハイム大将に申し出て、引き継ぎ前に自身の最後の仕事として彼の処刑を行った。しかし、その努力は徒労に終わる。 新聞にマフティーの正体とその裏に隠された地球連邦軍の苦衷というリーク記事が書かれ、マフティーの正体は世間に知られてしまった。リークはグッゲンハイム大将の指示によるもので、見出し以外はすべて連邦政府と連邦軍参謀本部による公式発表のままだった。その内容は「処刑を行ったのは父親のブライト・ノア大佐」「このような形式での処刑はあくまで息子の犯した罪を知ったブライトの強い希望によるもので、軍も政府もそれを止めることが出来なかった」「ハサウェイも父の諫めを受け入れて自身の行った非人道的テロ行為を反省して潔く処刑された」という捏造されたものだった。表面的には、いかに地球連邦政府へ忠誠を尽くして軍人としての本分を全うしたか、それがいかに筆舌に尽くしがたい苦渋の選択をともなう英雄的行為であったかなどブライト・ノア大佐を称えるものだった。しかし、その真意は自分たちに逆らったものは全員徹底的に潰すという地球連邦政府による不穏分子への恫喝にあった。ケネス・スレッグは、連邦政府は世間の同情を買おうとしているが、そのようなやり方は逆効果になるのではないかと予測していた。
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