ポンチ絵
「ポンチ絵」とは、明治時代に描かれた西洋風の風刺画や漫画、および、そこから「落書き」という意味で派生した、正式なものではない図面や構想図、あるいは資料に添える図表のことを示す言葉である。
「ポンチ絵」の「ポンチ」は、明治時代に日本に持ち込まれたイギリスの風刺雑誌の名称であった「PUNCH(パンチ)」がなまった語とする説が有力である。
今日では、「理解を促すために用意される非公式の図説資料」を俗に「ポンチ絵」と呼ぶ場合がある。
「ポンチ絵」の概要
江戸末期、日本では風刺や滑稽な寓話を描いた浮世絵が数多く作られていた。そこに、開国によって西洋的な風刺画が持ち込まれた。こうした風刺画が「ポンチ」や「ポンチ絵」と名付けられ、日本古来の浮世絵や草双紙と融合していった。当初の「ポンチ絵」は江戸の文化が色濃く、絵のすき間を埋めるように大量の文章や言葉が書き込まれていたが、時代の経過と共に文字の量が減っていき、「絵のみのもの」や「絵と少量の文章で表現するもの」へと変化していった。また、このような変化が後の「漫画」の発展に繋がったという見方もある。
「ポンチ絵」の語源・由来
「ポンチ絵」という言葉の語源や由来は明確でないが、一般的には、明治時代に日本に持ち込まれたイギリスの代表的な風刺雑誌「PUNCH(パンチ)」、あるいは「PUNCH」を元にして、イギリスの新聞特派員ワーグマンとフランス人のビゴーが、1862年に日本で発行した漫画雑誌「ジャパン・パンチ」に由来する名称であろうと考えられている。当時の日本人が浦賀に来航したペリーを「ぺるり」と呼んだように、「パンチ」は「ぽんち」と呼ばれ、これが風刺画全般の呼び名として定着したのであろう。
「ポンチ絵」の類語
「ポンチ絵」の類語は、「風刺画」という意味においては、「滑稽画」「カリカチュア」「社会批評」などが該当する。また、特にビジネスにおいて「資料に添える図表」という意味においては、「図表」「概略図」「設計図」などが該当する。「ポンチ絵」の英訳
「ポンチ絵」を英訳する場合、そのものを示す英単語は存在しないので、類語に置き換える必要がある。たとえば、「風刺画」という意味においては、「caricature」や「cartoon」と表現できる。特に社会的な風刺が強い場合は、更に「satirical cartoon」あるいは「political cartoon」と形容詞を追加することもある。滑稽な、ユーモアの要素が強い場合は「humorous illustration」となる。ビジネスにおいて概略図や図表などを示す場合は、それぞれ「diagram」や「chart」が適当である。ポンチ‐え〔‐ヱ〕【ポンチ絵】
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