その他の優等種別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 04:55 UTC 版)
上述のように、民鉄事業者においても特急・急行・準急・快速という国鉄が用いた優等列車種別や、それらから派生した列車種別を基本的に使用しているが、時にはそれらの枠組みに当てはまらない列車種別が使われることもあった。 最急行・最大急行 急行の上位種別。特別急行(特急)の概念が定着するより前に存在した列車種別で、後に国有化される山陽鉄道による使用が初出。国鉄に特急が登場した後も京阪電気鉄道による使用事例がある。 高速 特急と急行の中間種別。名古屋鉄道が有料特急との区別のために料金を取らない特急を改称したもので、この施策により中京圏に「高速」の種別名が定着したことを受けて近畿日本鉄道も臨時列車「伊勢志摩号」の列車種別をそれまでの直通急行から高速に改めた。名鉄の高速は特急政策の再変更によって1990年改正で特急に戻り、近鉄の高速も快速急行に改めた後の1990年代前半に臨時列車の設定自体が消滅した。 直行 近畿日本鉄道の生駒ケーブル山上線で使用されている臨時種別。途中駅には停車しないノンストップ形式での運行で通常は夜間(行楽期は昼間も)に設定されている。過去には南海電気鉄道、京阪電気鉄道、能勢電鉄、西日本鉄道でも使用されていたが、その位置づけは区間内ノンストップを意味する近鉄、能勢、西鉄と準急からの改称で急行より停車駅の多い南海、京阪に二分される(国鉄阪和線に一時期設定されていた直行も後者)。 半急行 急行の下位種別。名古屋鉄道が東部線(旧愛知電気鉄道線)において1939年頃と1944年から1947年頃の期間に設定していた。同時期の西部線(旧名岐鉄道線)では準急を使用しており、西部線昇圧による東西直通運転開始後は全線で準急を使用することにしたため、半急行は消滅した。 准急 急行の下位種別。西日本鉄道が用いた列車種別で、同社では「準」ではなく「准」の文字を使用した。 直通 急行の下位種別。宇治川電気(後の山陽電気鉄道)が1928年、小田急電鉄が1929年に使用を開始したが、ともに1940年代までに廃止され、復活後は別種別に移行した(山陽電気鉄道本線#直通および小田急電鉄のダイヤ改正#準急・直通を参照)。このほか、京浜急行電鉄が1949年夏に品川 - 逗子海岸(現在の逗子・葉山駅)間に設定した臨時列車に「直通」が使用されたことがある ほか、阪和電気鉄道では阪和天王寺 - 阪和東和歌山間の全区間を走破する普通列車を「直通」と呼んでいた。 直急 準急とほぼ同位に当たる種別。阪和電気鉄道が設定した種別で、準急が天王寺寄りを速達運転するのに対し、直急は和歌山寄りを速達運転とし、反対側は各駅に停車していた。1936年4月改正でそれまで阪和天王寺 - 阪和岸和田間を運行していた普通を以南急行運転として延長した際に新設されたが、翌1937年6月の改正で元の運行区間に戻され廃止された。
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