【Su-25】(すほーいにじゅうご)
旧ソビエト/ロシアのスホーイ設計局で開発された亜音速攻撃機(シュトルモビク)。
ロシアでの非公式の愛称はГрач(グラーチュ)(和訳:ミヤマガラス)、NATOコードはFrogfoot(フロッグフット)。
近接航空支援用の対地攻撃機として1960年から開発が始まり、1975年に初飛行した。
主翼は肩翼配置で直線翼に近く、前縁には19度の後退角が付けられている。エンジンも主翼付け根にあり、機体形状がA-10の競争試作機であるYA-9と酷似している。
また、操縦席周辺は厚さ24mmのチタン合金で補強され、キャノピーも前方部は65mmを厚さを有し、12.7mm弾の直撃に耐えられる。
エンジンはソユース/トゥマーンスキイR-195ターボジェットエンジン(推力44.18kN)を2基搭載する。
このエンジンは、燃料にガソリンやディーゼル燃料を使用できるようになっており、前線の地上部隊との連携を容易にする工夫がなされている。
固定兵装にはGSh-30-2 30mm連装機関砲1門(装弾数250発)を装備し、兵装には最大4,400kgまで爆弾やミサイル、ロケット弾などを搭載できる。
戦歴では、ソ連のアフガニスタンへの侵攻やアプハーズィヤの紛争の他、中央アジア各地での内戦、南オセチア紛争、アルメニアなどザカフカース方面での紛争などで使用されている。
ロシア以外では、ウクライナやベラルーシなど旧ソ連諸国の他、アフリカや中東の数カ国で使用されている。
スペックデータ
乗員 | パイロット1名 |
全長 (機種プロープ含む) | 15.36m(Su-25K) 15.33m(Su-25T) |
全高 | 4.80m(Su-25K) 5.20m(Su-25T) |
全幅 | 14.36m |
主翼面積 | 33.70m² |
空虚重量 | 9,500kg |
運用重量 | 14,600kg |
最大離陸重量 | 17,600kg(Su-25K) 19,500kg(Su-25T) |
エンジン | トゥマンスキイ R-195ターボジェット(推力44.13kN(A/B使用時))×2基 |
燃料搭載量 | 5,000kg(機体内) |
最大速度 | 950km/h |
航続距離 | 2,500km |
実用上昇限度 | 7,000m(Su-25K) 10,000m(Su-25T) |
戦闘行動半径 | 405nm(Lo-Lo-Lo) 675nm(Hi-Lo-Hi) |
上昇率 | 58m/s |
固定武装 | GSh-30-2 30mm機関砲×1門(装弾数250発) |
兵装 | 翼下に下記兵装を最大4,400kgまで搭載可能。 各種ミサイル類 R-60AAM Kh-23(AS-7「ケリー」)AGM Kh-25M(AS-10「カレン」)AGM Kh-29(AS-14「ケッジ」)AGM 爆弾類: B-250無誘導爆弾 FAB-500焼夷弾 RBK-250/-500クラスター爆弾 350kgまたは670kgレーザー誘導爆弾 ロケット弾ポッド類: S-5/S-8/S-13/S-24/S-25 その他: SPPU-22 23mm連装機関砲ポッド(GSh-23Lを搭載、装弾数260発) 増槽 |
派生型
- T8:
原型機。
NATOではラームJと呼ばれた。
- Su-25"フロッグフットA":
ソ連型の初期生産型。
- Su-25UB"フロッグフットB":
複座練習機型。兵装搭載能力は単座型と同様である。
- Su-25UT (Su-28):
複座練習機。兵装搭載能力は省かれている。試作のみ。
- Su-25K:
Su-25の輸出型。
- Su-25UBK:
Su-25UBの輸出型。
- Su-25UTG"フロッグフットB":
艦上練習機型。後部に着艦フックを装備し、着陸装置も強化されている。
生産機はロシアとウクライナとで半数ずつ分けられた。
2007年、ウクライナが中国に1機売却している。
- Su-25BM:
標的曳航機型。
- Su-25T:
新しい電子設備や赤外線暗視装置を搭載する対戦車攻撃機型。
今後の主生産型のひとつ。
- Su-25TK:
Su-25Tの輸出型。
- Su-25TM (Su-39「ストライクシールド」):
複座型から開発された全天候型の対戦車攻撃機型。
胴体下に多機能レーダーポッドを搭載し、後部座席のかわりに新しい電子機器を搭載している。
今後の主生産機のひとつ。
- Su-25SM:
1999年に初飛行したロシアのSU-25の能力向上改修型。
- Su-25KM「スコルピオーン」:
Su-25UBの能力向上型。グルジア空軍で運用されている。
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