かりゆし
「かりゆし」とは・「かりゆし」の詳しい解説
「かりゆし」とは、漢字では「嘉利吉」と表記される沖縄方言。「めでたい」「縁起が良い」「幸多かれ」ということを意味する。自然との調和という意味も含む。また、沖縄などで夏に着用される「かりゆしウェア」を略して「かりゆし」と呼ぶ。「かりゆし」の語源・由来
「かりゆし」は、船出をする時に無事を祈るため、水の中でも沈まない「軽石」に例えた歌で送り出したことに由来する。転じて「めでたい」「縁起が良い」という意味として用いられるようになったと言われている。また、貝が貨幣として用いられていた時代に、波に運ばれてくる貝が波打ち際に寄せてくることはとても縁起が良いことであった。貝が寄せてくることが訛り「かりゆし」になったという説もある。「かりゆし」と「アロハ」の違い
「アロハシャツ」の「アロハ(Aloha)」には、「好意」「愛情」「慈悲」「思いやり」「挨拶」などの意味があり、ハワイに渡った日本の移民が持参品である着物をシャツに仕立て直したものが起源と言われている。日本の着物に惹かれた現地の人にシャツにしてほしいと依頼されたことが起源という説もある。1935年に日本の反物を使ってシャツを作る会社である「ムサシヤ」が出した広告に「アロハシャツ」という名をみることができる。当初の生地はシルク、1950年代まではレーヨンが主流であったが、以降は主にポリエステルで作られている。アロハシャツは、日本の着物の生地が使われていたため和柄が多かったが、洋柄化が進みパイナップルやヤシなどトロピカルなモチーフのものやカラフルに染めたものを指すようになった。現在では、アロハシャツはオフィスやレストランなどでの着用に留まらず、式典や冠婚葬祭などでも着用されるなど男性の正装として認知されている。正装として着用する場合には、葬儀や婚礼のTPOに応じた柄によって使い分けられる。
一方、「かりゆし」はアロハシャツをヒントに開発され、1970年に沖縄県観光連盟が「おきなわシャツ」として発売したものが始まりである。沖縄県産のシャツは県内の各業者がそれぞれ生産していたため、名称が業者によって違っていた。1990年に名称を「かりゆしウェア」と制定し、2000年にはデザインの限定を緩和。2000年に開催された九州・沖縄サミットで各国の首脳が着用したことを契機に広く知られることとなった。
「かりゆしウェア」とは
かりゆしウェアはハワイのアロハシャツをモチーフに作成されたものである。基本的なデザインは、アロハシャツと同様の半袖・開襟である。左胸にポケットが付き、裾はズボンから出して着用することを前提に直線的にカットされている。「かりゆしウェア」は、1970年に当時の社団法人沖縄県観光連盟会長の故・宮里定三氏の発案により開発された「おきなわシャツ」が始まりである。当時は、開襟シャツで、ハイビスカスの花やデイゴ、琉球紅型など伝統工芸品の柄をあしらったものなど沖縄をイメージしたデザインが主流であった。現在の「かりゆしウェア」の定義は「沖縄県産であること」「沖縄らしいデザインであること」である。
県内の業者によって名称が異なっていたものを1990年に「かりゆしウェア」に制定。2000年に開催された九州・沖縄サミットに向け、再度ウェアの名称が検討され「かりゆしウェア」に統一。サミットで各国の首脳が着用したことで普及した。普及するのに伴い、デザインも多様化し、半袖・開襟シャツだけでなくボタンダウンやスタンドカラーのもの、長袖や喪服用のものなども製造されるようになった。素材も、月桃の茎を使った繊維や風化サンゴを混ぜた繊維など、沖縄の天然素材を使い環境に配慮したシャツも作られている。
従来は主に中高年の男性用として着用されていたが、素材やデザインの多様化にともなって女性や若い世代の着用も増え、ビジネスウェアや日常着としてだけではなくフォーマルなものも作られるようになり、沖縄では夏の正装として「かりゆしウェア」が定着している。
「かりゆし」の使い方・例文
・友人たちとお揃いのかりゆしウェアのワンピースで、結婚パーティーに出席することにした。・今年の夏はかりゆしを着て、仕事をしよう。
・かりゆしウェアは、生地も柄も私の好みだ。
・沖縄旅行のお土産に、かりゆしウェアをいただいた。
・かりゆしが正装だったことを知らなかった。
・沖縄方言の「かりゆし」という言葉は奥が深い。
かりゆし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 15:28 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動かりゆし
- かりゆし - 嘉利吉。沖縄方言で、「めでたい」「自然との調和」などの意味。
- かりゆし (企業) - 沖縄県の企業。リゾートホテル等を運営。
- かりゆし(貨物船) - 沖縄県農業協同組合・琉球海運等で構成する家畜海上輸送協議会が運航する家畜輸送船。琉球海運のRO-RO船を改造して2017年10月に就航した。沖縄県農業協同組合#物資輸送参照。
- かりゆし(貨客船) - 八重山観光フェリーが運航するフェリー。八重山観光フェリー#保有船舶参照。
関連項目
- かりゆしウェア - 沖縄県などで主に夏に着用されるアロハシャツに似たシャツ。
- 沖縄かりゆしFC - かつて沖縄県那覇市をホームタウンとしていたサッカーのクラブチーム。元九州サッカーリーグ所属。
- かりゆしクラブ - 沖縄の地域政党。旧琉球独立党。
- かりゆし☆らんど - FMヨコハマで毎週放送されている沖縄音楽バラエティーラジオ番組。柴田聡が同局で担当する番組としてはシリーズ三代目にあたる。
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- タイトルに「かりゆし」を含むページの一覧
かりゆし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 14:45 UTC 版)
沖縄県(特に先島諸島)から本土への子牛等の輸送にも輸送船が用いられる。2017年10月17日には、老朽化した琉球海運の輸送船「にらいかない」の代替として、沖縄県農業協同組合、琉球海運、セリ牛事故共助積立金運営委員会等で構成される家畜海上輸送協議会が、琉球海運の既存の貨物船を家畜輸送用に改造した家畜輸送船「かりゆし」(9,943総トン、全長154.07m)を就航させている。
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