オンネトー湯の滝マンガン酸化物生成地とは? わかりやすく解説

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オンネトー湯の滝マンガン酸化物生成地

名称: オンネトー湯の滝マンガン酸化物生成地
ふりがな おんねとーゆのたきまんがんさんかぶつせいせいち
種別 天然記念物
種別2:
都道府県 北海道
市区町村 足寄郡足寄町
管理団体
指定年月日 2000.09.06(平成12.09.06)
指定基準 植8,地1,
地4,地8
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文:  オンネトー湯の滝は,活火山である雌阿寒岳阿寒富士西麓拡がる原生林内に位置する神秘の湖として知られるオンネトーから1.5kmの距離にあり,阿寒国立公園重要な地域となっている。高さ20メートル2条の滝からなる滝上流の泉源では温度40ほどの温泉湧き出し原生林内の秘湯として利用されてきた。
 湯の滝でマンガン鉱物が形成されていることは古くから知られ昭和20年代には,総量およそ3500トン採掘された。マンガン鉱物は,現代文明を維持する上で重要な資源である。製鉄の際に不可欠添加物であり(マンガン鉱物消費量の約9割),日常生活欠かせない乾電池材料消費量約1割)でもある。原料となるマンガン鉱石は,地質時代形成され鉱床から採掘されオーストラリア南アフリカなどから輸入されている。
 現在地上でマンガン鉱床が形成されている場所は,海底海底火山噴出物大洋底マンガン団塊)に限られるオンネトー湯の滝は,陸上観察できる最大マンガン鉱生成場所であり,「天然実験室」として世界的に注目されている
 湯の滝の温泉水は,雌阿寒岳阿寒富士斜面での降水地下浸透し十数年かけて溶岩末端から湧出したものである。泉源と滝の斜面には,光合成によって酸素放出するシアノバクテリア藍藻類),この酸素温泉水中のマンガンイオンを結合するマンガン酸化細菌などの微生物生息する
 こうした微生物複合作用により,滝斜面二酸化マンガン形成され年間トン上の沈殿物が生成する沈殿物は,肉眼的にはマンガン泥と呼ばれる黒色の泥である。顕微鏡下では,藻類織りなすマット中に板状結晶集まった集合体となっている。さらに,周辺の4~5千年前の地層中から見つかったマンガン鉱物の層は,こうしたマンガン泥が時間をかけて緻密安定したマンガン鉱床へと熟成してゆくことを示している。
 オンネトー湯の滝進行している微生物によるマンガン鉱物の生成は,豊富な酸素のもとに多様な生命活動支え地球環境形成され35億年前地球上で始まった現象と共通のもので,現在の海洋大気形成され過程再現するのである地球生命歴史解明する上でもたいへん貴重な現象である。よって湧水微生物を含む滝全体天然記念物指定し保護を図るものである
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