うるいとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > うるいの意味・解説 

うるい〔うるひ〕

キジカクシ科多年草ギボウシの別名。特に、若芽食用とするオオバギボウシのこと。


うるい

方言意味
うるい 長く日照り続いたときに,降る。「潤(うるお)い」の「お」が,略されたもの。関東では,良いお湿(しめ)りという。

潤井

読み方
潤井うるい

読み方
うるい

読み方
うるい

ギボウシ

(うるい から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/25 07:43 UTC 版)

ギボウシ属
レンゲギボウシ Hosta fortunei 'Picta'
(2005年7月11日、カナダ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: キジカクシ科 Asparagaceae
亜科 : リュウゼツラン亜科 Agavoideae
: ギボウシ属 Hosta
学名
Hosta Tratt.
タイプ種
Hosta plantaginea (Lam.) Asch.
和名
ギボウシ属
英名
plantain lily
亜属
  • H. subg. Hosta
  • H. subg. Bryocles
  • H. subg. Giboshi

ギボウシ(擬宝珠[1])は、キジカクシ科リュウゼツラン亜科ギボウシ属学名: Hosta)の総称。山間の湿地などに自生する多年草[2]食用となり、が美しく、日陰でもよく育つため、栽培される。

新エングラー体系及びクロンキスト体系ではギボウシ属はユリ科 Liliaceae に含められていた。

名称

「ギボウシ」は擬宝珠(ぎぼうしゅ)の転訛であるが[3]、これはこの植物のつぼみ、または包葉に包まれた若い花序が擬宝珠に似ることに由来する。ギンボ青森県)、タキナ高知県)などの地方名がある。英語plantain lily は「オオバコユリ」という意味であるが、これはギボウシのオオバコに似ているためである。

地方により、アメフリバナ、ウリッパ、オオバコ、ギボウシュ、ミズウルイ、ヤチウリなどの別名でもよばれている[1]

形態・生態

葉は根元から長楕円形の葉柄が伸び、太い中央脈がある[2]

花期はで、長い花茎を伸ばして総状花序をつくり、青色白色品種もある)の細長いラッパ状の花を咲かせる[1]マルハナバチなど大型のハナバチの訪花によって受粉される。

果実は朔果で3裂するが、栽培品種には結実しないものもある。

分布

東アジア原産。雑木林、草原、谷間などに生える[1]

人間との関わり

食材

日本にはオオバギボウシHosta montana または Hosta sieboldiana var. gigantea)など20種ほどが野生し、いずれも東北地方から中部地方の一部などで[4]ウルイ、ギンボ、タキナなどの名で山菜として若葉や葉柄などが利用される[2]。ただし、若葉が毒草バイケイソウに似ており、誤食事故が多いので注意を要する[2]。スジギボウシ(Hosta undulata)やその他雑種などが栽培される。栽培品の主な産地は山形県で、薄い黄緑色の若芽を出荷し、サラダ浅漬け油炒め、味噌和え、酢味噌和え味噌汁混ぜご飯巻き寿司などに利用する[4]。食味に癖はなく、噛むと少しぬめりがある。花は天ぷら酢の物に利用できる[1]。茎葉を乾燥させたものは「やまかんぴょう」という[1]

ただし、新芽は有毒植物のバイケイソウシュロソウ科)に似ているため、注意を要する[1]

園芸

江戸時代の日本で変異個体が多数園芸品種として固定され、さらにこれがシーボルトらによってヨーロッパに紹介されてヨーロッパでも多くの品種が育成された。

花言葉は「落ち着き」「沈静」「静かな人」。

岩崎灌園 本草図譜 第3冊 巻23 毒草類3 1828年
トウギボウシ(Hosta sieboldiana)NDLJP:1287133/15
スジギボウシ(Hosta Undulata)NDLJP:1287133/18
タマノカンザシ(Hosta plantaginea)NDLJP:1287133/16
カビタンギボウシ(Hosta sieboldii 'Kabitan')NDLJP:1287133/20
イワギボウシ(Hosta longipes)NDLJP:1287133/17
種名不詳、フクリンギボウシや文鳥香などの説があるNDLJP:1287133/19

下位分類

40ほどがあるが、種間雑種ができやすく(特に栽培品種には多い)、分類には諸説ある。

脚注

  1. ^ a b c d e f g 篠原準八 2008, p. 18.
  2. ^ a b c d ギボウシ類”. 農林水産省. 2023年1月1日閲覧。
  3. ^ 新村出編 編『広辞苑』(第5版)岩波書店、1998年、666頁。ISBN 4-00-080111-2 
  4. ^ a b 農山漁村文化協会編、『日本の食事事典Ⅰ 素材編』、1993年、p72、東京、農山漁村文化協会、ISBN 4-540-92005-7

参考文献

  • 篠原準八『食べごろ 摘み草図鑑:採取時期・採取部位・調理方法がわかる』講談社、2008年10月8日、18頁。 ISBN 978-4-06-214355-4 
  • 平野隆久写真「ギボウシ属 Hosta」『野に咲く花 : 写真検索』林弥栄監修、門田裕一改訂版監修(増補改訂新版)、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2013年、78-79頁。 ISBN 978-4-635-07019-5 
  • 永田芳男写真 著「ギボウシ属 Hosta」、畔上能力編・解説 編『山に咲く花 : 写真検索』門田裕一改訂版監修(増補改訂新版)、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2013年、148-150頁。 ISBN 978-4-635-07021-8 

関連項目

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「うるい」の関連用語

1
100% |||||

2
100% |||||

3
100% |||||

4
単子葉類 デジタル大辞泉
100% |||||

5
双子葉類 デジタル大辞泉
100% |||||

6
外肛類 デジタル大辞泉
100% |||||

7
真正双子葉類 デジタル大辞泉
100% |||||

8
双鞭毛藻類 デジタル大辞泉
100% |||||

9
焼酎乙類甲類混和 デジタル大辞泉
98% |||||

10
焼酎甲類 デジタル大辞泉
98% |||||

うるいのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



うるいのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
高松市歴史資料館高松市歴史資料館
Copyright(C) 2025 高松市歴史資料館 All Rights Reserved.
EDRDGEDRDG
This page uses the JMnedict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのギボウシ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS