『今昔物語集』ほかとは? わかりやすく解説

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『今昔物語集』ほか

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 00:19 UTC 版)

雨を降らせて殺された竜」の記事における「『今昔物語集』ほか」の解説

奈良県大阪府などに残るこれらの伝承は、『今昔物語集』1120年代以降)巻第13にある「竜聞法読誦持者降雨死語第三十三」の物語似ているとの指摘がある。この物語によれば、昔、奈良の龍苑寺に、日々熱心に法華経』を唱える僧がいた。竜が人間の姿で毎日のように訪れてはこれを聞いていた。じきに僧と竜は親友となり、このことは世間にも知られていた。ある年に国中旱魃見舞われると、天皇が僧を呼び、寺に来る竜に降らせるようにと命じた事情知った竜は、大梵天王はじめとする諸仏国難防ごうとして旱魃起こしていること、もし自分降らせれば殺されること、自分が『法華経』によって前世の罪から救われたこと話し降らせることを承諾した。竜の言葉通り3日間にわたって降り地上潤い天皇人々喜んだ。僧は、竜の最後望みに従って、峰の池の中にバラバラにされた竜のなきがらを見つけて埋葬しその場所に龍海寺建てたまた、竜が気に入っていた3箇所の場所にも龍心寺、龍天寺龍王寺建てた。僧は寺で『法華経』を唱えて竜を弔う日々送ったという。この物語出典は『本朝法華験記』(『大日本国法華験記』とも。1040年-1044年頃)中巻67の「竜海寺沙門某」で、舞台大和国平群郡竜海寺、竜の遺体埋めた場所に建てた伽藍付与された名称も竜海寺、竜が気に入っていた4箇所建てたのが竜門寺竜天寺竜王寺ほか1寺というふうに寺の名称に違いがあり、竜の遺体の状態説明もないが、話はほぼ同じ内容である。『東大寺要録』巻四・諸院章第四にも同様の話があり、法蔵僧都による『最勝王経』の講を聴いた竜が降らせるに血が混じっているのを見た法蔵僧都は、天候天神地祇支配しているにもかかわらず降らせたために竜が殺されたことを悟って泣く。寺を建立する話はないが、竜が自身死後に必ず弔うように頼んでいることから、高谷 (1970)は元々の話には寺の建立エピソードがあっただろうと推定している。これらの物語では、竜は仏法信仰し功徳得られたことから報恩のために自らの命を捧げている。 竜が降らせて殺される物語は、他にも、『元亨釈書四・法、『雑談集』九・冥衆仏法ヲ崇事などがある。1305年嘉元3年)頃に無住によって書かれた『雑談集』では、竜のなきがら納める寺の名は龍頭寺龍腹寺龍尾寺とされているがその所在地定かでない旨も記されている。五十嵐 (2012) は、『雑談集』での3寺の名称は、四条畷市龍尾寺の「河州讃良郡瀧村雲山龍尾寺略縁起」における3寺の名称と同じであるという。

※この「『今昔物語集』ほか」の解説は、「雨を降らせて殺された竜」の解説の一部です。
「『今昔物語集』ほか」を含む「雨を降らせて殺された竜」の記事については、「雨を降らせて殺された竜」の概要を参照ください。

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