『ユダヤ人問題』とは? わかりやすく解説

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『ユダヤ人問題』(1877年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:17 UTC 版)

フョードル・ドストエフスキー」の記事における「『ユダヤ人問題』(1877年)」の解説

1877年3月ドストエフスキーは、無神論者ユダヤ人からの抗議への反論『ユダヤ人問題』を発表した。 「高級なユダヤ人」に属す抗議者は無神論者というが、エホバ放棄するとは罪深く、「神のいないユダヤ人など想像できない」し、自分ユダヤ人民族として憎悪したことはない、また自分ユダヤ人を「ジート(ジュー)」と呼ぶことは侮辱ではなく一定の観念であり、言葉腹を立てるのはよくないとした。また、自分これほど攻撃を招くような反ユダヤ論文書いていないし、この抗議者はロシア国民に対して傲慢であり、この告発における激昂こそユダヤ人ロシア人観を鮮やかに物語ると反論したそもそもユダヤ人ロシア人離反している要因双方責任があるし、ユダヤ人のように「これほど絶え間なく歩けば歩いたで、口を開けば開いたで、自分運命訴え自分屈辱を、自分苦悩を、自分受難嘆いている民族は、世界中探して確かに他にはいない」とした。 ユダヤ人は「虐げられ苦しめられ侮辱されている」というが信用できないし、ロシア庶民ユダヤ人上の重荷背負っている。それどころか、農奴制から解放されロシア庶民に対して「昔からの金貸しの業で」「獲物とびかかるようにして、真っ先に彼らにとびついたのは誰であったか」、ユダヤ人は「ロシアの力が枯渇しようが知ったことではなく、したいだけのことはやってのけて、いなくなってしまった」と述べたユダヤ人がこれを読むと、中傷・嘘だと主張するだろうが、アメリカ合衆国南部でもユダヤ人解放され黒人襲いかかり、金貸し業で彼らを掌握したのだと述べたまた、ユダヤ人国家内国家Status in statu)を長い歴史のなかで守ってきたとして、その理念本質を「諸民族より出でて、自らの個体作るがよい。今日からはお前は神のもとに一人であるとわきまえて他の者たち根絶やしにするもよし、奴隷にするもよし、搾り取るのも自由である。全世界対す勝利を信ぜよ。すべてがお前にひざまずくものと信ぜよ。すべてを厳格に嫌悪し、生活においては何びととも交わってはならぬ。たとえ自らの土地失い政治的個性失いあらゆる民族の間に離散するようなことがあろうとも、変わらず、お前に約束されたすべてのものを、永久に信ぜよ。すべては実現されるものと信ぜよ。しばらくは生き嫌悪し団結し搾取し、待つがよい」と描写した。 こうしてドストエフスキーは、ロシア人ユダヤ人への怨恨などは持っていないが、無慈悲非礼なユダヤ人ロシア人軽蔑し憎んでおり、ユダヤ人ヨーロッパ取引市場金融界君臨し国際政治内政道徳までも自由に操作し、「ユダヤ人の完全な王国近づきつつある」とし、ユダヤ教全世界掌握しようとしているというユダヤ陰謀論展開したまた、農村共同体ユダヤ人の手渡れば農奴制時代タタール侵入時代よりもひどい時代となるとした。 その上でドストエフスキーは、キリスト教教えに基づきユダヤ人権利拡張賛成しながら、うぬぼれ傲慢なユダヤ人ロシアに対して寛大あるべき祖国ロシアのために尽くすべきだ、もしもユダヤ人ロシア人への嫌悪偏見捨て去ればお互いに兄弟愛結ばれる。しかし、ユダヤ人友愛団結を行う能力はあるか、と述べたユダヤ人の上層部はますます強力にしっかりと人類支配するようになり、世界自分たちの傾向本質与えよう切望している。 — ドストエフスキー1877年3月『ユダヤ人問題』

※この「『ユダヤ人問題』(1877年)」の解説は、「フョードル・ドストエフスキー」の解説の一部です。
「『ユダヤ人問題』(1877年)」を含む「フョードル・ドストエフスキー」の記事については、「フョードル・ドストエフスキー」の概要を参照ください。

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