『マーニー』とは? わかりやすく解説

『マーニー』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 17:53 UTC 版)

アルフレッド・ヒッチコック」の記事における「『マーニー』」の解説

『鳥』次の作品となった『マーニー』は、ウィンストン・グレアム(英語版)の同名小説英語版)が原作で、1960年出版され時に映画化権手に入れていた。『鳥』撮影中の1962年3月には、すでに引退してモナコ王妃となっていたグレース・ケリー主演でこの作品映画化することを考えていたが、ケリーとの交渉上手くいかず、代わりにヘドレンを再び起用した。この作品窃盗癖のある女性(ヘドレン)と、その異常性に魅かれて彼女を愛す男性ショーン・コネリー)が主人公心理的なメロドラマである。ヒッチコック脚本ハンター依頼したが、のちにジェイ・プレッソン・アレン(英語版)にまったく別のアプローチ改稿させた。ヒッチコックはこの作品のために、愛犬の名前にちなんで名付けた新し製作会社ジェフリー・スタンリー・プロダクションを設立し1963年9月撮影始めた その撮影中、ヒッチコックのヘドレンに対すセクハラエスカレートした。ヘドレンによると、ヒッチコックメイク部に自分のためにヘドレンの顔をかたどったマスク作らせるよう要求したり、ヒッチコック部屋と隣のヘドレンの控え室の間に扉を作って直接行き来できるようにしたりしたという。スポトーによると、1964年2月末のある日には、ヒッチコック控え室でヘドレンに性的関係求め、やがてヘドレンのキャリア台無しにすると脅迫めいたことを言ったという。それ以来ヒッチコックはヘドレンに話しかけるのを拒み第三者通じてコミュニケーションをとった。そのうえ作品対す興味も失くし、技術上のディティールスクリーン・プロセスセット使い方などにも注意を払わなくなった1964年7月作品公開されたが、批評家反応概ね批判的で、その意見多く技術的な稚拙さと異常心理極端に単純化した点の古臭さ指摘した。『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン』誌は「気の毒なほど時代遅れで、情けないほど愚直―まったくの期待はずれである」と評した作品興行的に失敗し、スポトーはこの作品ヒッチコックが「大衆支持失った」と述べている。ある新聞にはヒッチコックが「現代観客の心をつかみそこなったばかりか、いっそう嘆かわしいことに、あのテクニックユーモアまで失ってしまった」と書き立てられた。ユニバーサル・ピクチャーズからも失敗繰り返さぬよう横槍入り、この次の作品企画したジェームス・マシュー・バリー戯曲メアリー・ローズ英語版)』の映画化も、会社反対実現しなかった。さらにジョン・バカンスパイ小説三人人質英語版)』の映画化や、イタリア脚本家コンビアージェ=スカルペッリオリジナル・シナリオで『R・R・R・R』を撮ることも企画したが、これらも実現には至らず終わった

※この「『マーニー』」の解説は、「アルフレッド・ヒッチコック」の解説の一部です。
「『マーニー』」を含む「アルフレッド・ヒッチコック」の記事については、「アルフレッド・ヒッチコック」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「『マーニー』」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「『マーニー』」の関連用語

『マーニー』のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



『マーニー』のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのアルフレッド・ヒッチコック (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS